2023.07.26

九時に起きた。寝付くまでの時間や途中で水を飲みに起きたのを差し引いても十一時間は寝れたわけだ。時間だけで判断してくれるポケモン的には特徴なしタイプの百点満点。FitBitもどきとしては75点。46パーセントのユーザーよりも良い睡眠です。とにかくどうにもならなさは緩和された。この数日というか発熱いらい睡眠のリズムががたがたで、この数日は寝るのが一時過ぎと遅かったから、そのぶんの負債を返したような感じ。どうやら暑さよりもクーラーがつらいかもしれない。奥さんの咳が止まらず、どんどん喘息めいてくるのでかわいそうだった。発症が13日だからもうすぐ半月なのだが空咳はしつこく、なにより体力がガクッと落ちていて外気と空調の落差に対応しきれない。すぐに限界まで疲れてしまう。これは持ち直しうるのだろうか。たのむから一回すずしくなってくれ。きょうも早めに帰っておきたい。体を休めたい。本が読みたい。本を読む元気を養いたい。

ワンプレートランチでスパゲティにクリームコロッケ、カレーライスが載っていて、甘々なカレーライスでもう胸焼けがしそうで、クリームコロッケも甘いし、スパゲッティのケチャップも甘いので泣き出しそうだった。胃をぱんぱんにして出る。いつの間にか胃下垂が治っていて、最近は食後に膨れるのは鳩尾の下あたりだ。猫背だったのに、ずいぶん姿勢がしゃんとした。午後はだから何度もトイレに立って、便座の上で右の太もも裏にひょろ長い毛が三本はえていることに気がつくことになる。三センチ以上あった。ひきちぎるようにして抜いたが、いくらかは千切れてしまってそのまま残った。

きょうはずっと睡眠のことを考えていて、理想は七時間半だといつかどこかで読んだ。〇時半に寝て八時に起きるというサイクルをどうにか作りたい。つい寝すぎてしまう。僕は二度寝が好きだが、たぶん寝過ぎで体調を崩していることも多そうなのだと薄々わかってきた。昔から寝るのだけは優等生で、奥さんと暮らしだしたころはこんなにも寝るのが下手でしかも寝なくても翌日動ける人間がいるのかと驚いたものだったが、いまでは僕のほうが睡眠がうまくなくてそのうえ寝れないと翌日ろくに動けないのだからひどい。同棲をはじめたころこっそり抱いていた優越感はすっかりなくなってしまった。

帰宅して夕食の時間、あなたの食欲があまりない時わたしもまた食欲がないので夕食を作るモチベーションも低いにもかかわらずあなたからのコメントもそっけないとより一層やる気を無くすと奥さんに指摘されてギクッとした。僕はふだん奥さんが夕食を作るときはおいしそうに食べたり感想を言ったりするが、これは心掛けというよりも食べるのが好きだからそうなるのであって、きょうのように食欲が不振の時は食事がタスクにしか感じられず無口になる傾向がたしかにあった。

食後は心待ちにしていたエーステ冬組のBlu-rayを観る。反芻している時間と回数だけでいえばいちばん多い作品だろう。映像はやたら寄るカメラも、ショットの割り方のリズム感のなさも、とにかく気が合わないのだが、アップになると咲也の顔で泣ける。あとタンジェリンの可愛さも尊い。僕はやっぱりガイさんが好き。僕が観たときは周囲のキャストとのバランスを崩すほど声量で圧倒していて、それで落ちたのだが、映像だとバランスが取れてしまうようのか、この日がそうだったのか、僕の思い出がどんどん過剰になっているのかもはやなにもわからなかった。日記を書いて、桃を食べる。お尻が腐るほどよく熟れていたから甘くておいしい。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。