2023.11.13

朝はなんとか起き出して労働。起きたくないのに起きれてしまった朝に、ON READING で買った『起きられない朝のための短歌入門』を読む。僕は短歌の実作者にはなれそうにないけれど、あらゆる実作の話は面白い。先日の叔父の版画もそうだし、友人たちの演劇や小説もそうだろう。刀と木と絵の具であれ言葉であれ道具という他者とともにこの体を制作のアクターとして投入する感覚を言語化する現場はとてもわくわくする。

いきなり寒くて眠くてすごい。お昼は焼きうどんをこさえた。ねぎとにんじんだけはあったから、それらを砂糖と味醂と醤油で甘じょっぱく煮てうどんに絡める。日差しは温かだからリビングに射し込んで背中をあたためる。そのまま夕方の会議が混む前に買い出しに行く。豆腐、納豆、牛乳、玉ねぎ、青梗菜、ひき肉、春雨、白菜、車麩、生姜、中華麺、パスタ、なんだかんだで大荷物。今夜は鍋。

しかし、きょうは、いきなり寒くて眠くてすごい。冬季鬱最速記録更新。奥さんはそう言って目の光を失っていた。大振りの肉団子を鶏と豚の二種作って鍋に。おいしくできた。もう鍋の季節なのだ。食後は松崎史也演出の五人の俳優で『ハムレット』をやるのを映像で見て、なかなか面白かった。一曲目から、あ、これはYu さんだ、とわかってしまって、『MANKAI STAGE A3!』の劇中劇みを感じていた。毎回オフィーリアが狂うあたりまではそうそうこんな感じだったと思うのだけれど、それ以降は、あれこんなにもなんかもう考えるの面倒くさくなっちゃったみたいな慌ただしい幕引きなんだっけと驚いてしまう。

それにつけても、いきなり寒くて眠くてすごい。昨晩も早々に寝てしまって、日記のリズムががったがた。今日はちゃんとその日のうちに書いて、お風呂に入って早く寝る。あしたからは整えるはずだ。寒すぎる。でも靴下履きたくない。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。