ほぼスケルトンになった家を確認しに行って、柱の数が多いので予想していたように広く錯覚することもなく、とはいえ想定より狭いということもなく、図面から思い描く空間の正確さに我ながら感心したりする。というか建物というのは不思議なもので壁と天井が抜けてもまだその場に特有の空気があり、時間の流れ方がある。すでに解体され尽くした空き地でさえも、光の射し込む具合なのか、周囲の物質との位置関係によるものか、なにかしら過去にあった立体の記憶が幽かに残っている。構成要素がほとんど入れ替わっても引き継がれる雰囲気とはなんなのだろうか。細胞がごっそり交代しているはずのこの体で己の連続性を疑わずにいられるのと似た不思議さである。小屋入りのようなわくわく感があり、その場での思いつきであれこれと妄想し、決めねばならないプランについては判断をする。
出してもらった車が走り抜ける景色のなかに突如大量のショベルカーが現れて、奥さんが興奮した声を上げる。お昼は天ざるを食べる。すっかり暖かいのでコートは余計だったし冷たい蕎麦がおいしい。風が強くて花粉もすごい。べちょべちょである。
設備の選定のために家具屋を見て、あれこれ相談して解散。ふたりは電車で帰ることにしてもうすこし家具屋を物色することにするが、まずはソフトクリームやケーキを食べて回復だ。ぐるっと見て、一通りの検討を終える。くたくただ。駅前でコーヒーを飲んでから帰り支度。きょうは頑張ったので夕食がてら飲んで帰ろうということで、餃子にビール。屋外のカウンター席でも余裕な気温。これで花粉がなければ最高。いまは空気が湿気ているわけでもないのに重たくて、マスクをしていても息苦しいし、外しても鼻水が出る。はやく夏めいて欲しい。
帰宅してすぐさまシャワーを浴びる。それからプロレス観戦。きょうのHOUSE OF TORTURE は輝いていた。辻を追い詰める成田もすっかり頼もしく、ブーイングを一身に受ける度量が身についてきているし、鷹木を散々な目に遭わせるEVIL はいつも以上にキレッキレで楽しそうだった。奥さんと一緒にキャッキャとはしゃぎながら大満足で、EVIL にはぜひとも優勝して内藤をボコボコにしてほしい。同門対決を待望するロスインゴファンたちを失望させて欲しいと思う。
