午前中から有明に出かけて行って、MANKAI STAGE『A3!』~Four Seasons LIVE 2024~ だ!
有明ガーデンは昨年のBUCK-TICK 以来だった。だから悲しい気持ちにならないか心配だった。マチネはアリーナ席で、景色が全くちがうから素直に楽しみになってくる。開演前のアナウンスは秋組。カウントダウンが30から始まる。たぶん本当の一秒よりも短い、あるいは音響と視覚の効果で速いように感じる、このカウントは配信で見た時から脈拍が上り健康に良くないなと思ったが、会場で見るとよりそうだった。春組、夏組、秋組、冬組の二十四人が、それぞれの主演作品の衣装で登場する。初日の映像で見た時点で泣けたが、カメラの枠は全員を捉えるには狭いので、こうして視界いっぱいに彼らが現れ、その一人一人の名前を、公演にまつわるエピソードを、全部ちゃんと知っているよ、と思うともう胸がいっぱいだった。フィクションの生を追いかけていると、いつしかその積み重ねの厚みが自らの生活以上に迫真する瞬間がある。そういう虚実や軽重の転倒をこそ待望しているんだな、とエーステを見るたび思う。久しぶりの公演で、しかも演劇というよりはライブが主だから油断していたけれど、だいたいこういう感慨は不意打ちでくる。日替わりの劇中劇は幸ちゃん主演のファッションショーの物語だったのだけれど、ライブの最終盤の挨拶でこういうのだ。とっておきの洋服を着て会いに来てくれてありがとう。ここでもうだめだった。
終演後、遅めのお昼を混み合ったショッピングモールで済ませる。マチソワ間というのは、公演が待ち遠しくてそわそわしている状態のことをいうのだと勘違いしていた、というようなエピソードをTwitterで見かけたと奥さんが教えてくれる。いい話だ。
ソワレの開演前アナウンスは冬組。密がいい感じに話していて嬉しい。バルコニー席で、どうしても異空を思い出す。マチネですでにがばがばに開いた感受性もあいまって、途中で具合が悪くなってくる。劇中劇の途中ではとうとう、ふーっと意識が遠のく瞬間があって危なかった。多幸感で気絶することってあるんですね。東さんがめっちゃ綺麗で、左京さんもシトロンもガイもみんな歌が上手だからすごくよかったはずなのだけれど、もしかしたらワンシーン丸々見逃したかもしれない。そういえば昼夜通しで観劇するのは初めてかもしれない。のべ五時間。観る方もこれだけ疲れるのだから、俳優たちはどれほどだろうか。改めてものすごい仕事だ。咲也がひとりじゃないと歌いじっさいみんなに囲まれて笑っているところと、綴が、もうたいへんなんすよ、と嬉しそうに目を細めるたびに泣くのだけれど、今夜は一成まで、たくさん友達ができたよ、と感謝を述べるものだからべしょべしょである。それぞれに、それぞれの仕方でこの劇団を居場所として大切にしているんだね……、こちらはもう、脱水や低血糖にちかい感じの不調に陥っており、ああ、これが、ねえ待ってしんどいというやつか……と思う。なんか前もエーステの日の日記でこんなこと書いた気もする。一日一日を、楽しく生きようね、そう言ってもらっている中、僕は、楽しさで健康を損ねかけているよ。
帰りの電車でリンゴジュースを飲んで手当てをし、ファミレスでアップルパイを食べたらずいぶん回復した。いまこうして日記にしていて初めて気がついたが、林檎尽くしである。お風呂に入って、ぐっすり眠る。