2025.01.03

のんびり朝風呂に入って、ビリヤニおせち。きょうはお重のスパイスおせちも堪能。黒豆のビリヤニとよく合い、とても楽しい。お酒も飲んじゃって、ぽかぽかで、ずいぶん正月って感じだ。

見始めたらどうせ夢中になってしまって感情が振り回されるとわかっているからこそ敬遠していた『響け!ユーフォニアム3』の一挙放送があると知り、じゃあ見るかとU-NEXTで見始める。放送はきっかけであって、配信で見ればよい。大好きな作品なのだが、だからこそ遠ざけるというのはヒロアカのアニメもそうで、感動するのは疲れるから避けたいという発想が日に日に幅を効かせるようになっているのが物悲しい。プロレスとかは見て、きゃーって悲鳴をあげたり、うおお、と興奮できたりするのに。例えば奥さんは映画は長くて辛いというが、三時間越えの舞台なら配信でも見れるという。特に映像として見所のない講義の配信なんかも、見れてしまったりする。この違いはなんなのだろう。京都アニメーションの技術はとても高級で、完成度が高い見事な作為性が鼻につくとかでなくただ単純に疲れるのかもしれない。しっかりと構成されたものへの疲れだろうか。ラフさや偶然の余白が大きい方が見やすいというか、没入へと設計されたものよりも、気を散らしたままでもいいようなものへと流れがち。これはけっきょく、加齢に伴い集中力が弱ってきたということだろうか。これは集中できなくなったということでも、集中の持久力や深さが減じているということでもなく、集中するとどっと体に来るようになったということだ。二話見て、休憩がてら昼食を摂る。カレー蕎麦と、卵と混ぜたミルク餅をバターで焼いたやつ。それから六話まで見る。観始めてしまえばみんな賢くて懸命で独善的ですごくかわいくて、いいぞ、いいぞ、と思いながら見守ってしまう。そうなんだよ、このアニメは、はじまるとすごい引き込まれてしまうのだ。集中を強いられる。それで疲れるのだ。なんだろうな、走りたくないのに体が動いちゃう感じというか、だらだらしていたいはずなのに演奏が上達するのが嬉しくてスパルタ練習に必死で食らいついていっちゃう感じというか。そうやって努力するのは自分たちが決めたことだからっていうけどさ、あの雰囲気の中で全国金賞という目標に挙手しないでいる胆力なんて新入生にあるわけなくない? そういう納得のいかなさがある。とにかく、すごい好きなアニメだ。主人公の二人の仲良しっぷりが円熟期に入っており、見せつけられるのも嬉しい。

夕方からはDDTの新年後楽園大会を中継で。今年はNOAH での活動に注力するためユニットを解散しじしんの団体では休場に入る遠藤が、近年育ててきた高鹿とシングルマッチ。しっかり弟分をぼこぼこにして去る先輩っぷりが格好いい。大会は通しで見ているのだが、注意力は散漫で、興味があるところ以外は、新日のイッテンヨン前日会見を並行して見たりとか、他ごとをしながら眺めていて、こういうことができるからプロレスは気軽なのかもしれない。ユーフォはとにかく目を逸らすことができない。栗と銀杏のビリヤニと、おせちの残りで夕食のあと、七話を見る。ふー、三年にもなると展開が早い。演奏シーンが潔くカットされているのがちょっと寂しい。なによりも演奏を最上位に置くという彼女たちの態度が好きだから、ちゃんと演奏している姿を見せてほしいよ。

猫はやけに甘えん坊で、ソファで奥さんと並んで日記を書いていたらむりやりあいだに割り込んできて、右腕に前脚を乗せて動きを封じたうえで枕にしてすやすや寝息をたて始める。起こさないようにしずかにタイピングする。耳がぴくぴく動く。寝息の音は人間と変わらないのだな、と思う。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。