きのう下がり切った気圧が、光の反射のように下降時と同じ急な角度をつけて上昇していく日。これはこれでつらい。朝ルドンの声で起きて、六時で、給餌機の稼働まであと一時間鳴き続けるのか、しかし起き上がれないな、と思っているうちに寝落ち、多分奥さんが相手してくれたようだった。奥さんが戻ってくる音で起きて、そろそろ起きよう、とカビゴンを起こし、そこで寝落ちる。ハッと目覚めて、奥さんが起き上がるのに合わせて僕も起きようと思い、うんしょ、と寝落ちる。きわめてナチュラルでシームレスな入眠。われながら驚きの起きなさ、というか、眠りっぷり。午前中、奥さんは階下で賃労働。上位層とバトってる。声が大きく、珍しく二階まで漏れ聞こえてくるが、こちらも会議が続くので問題はない。猫は膝で爆睡。一旦トイレに立ったり、ソファに移動したりでどかすが、またすぐに膝に乗ってくる。口がちょっと開いていて、牙がまぬけにのぞいている。にやにやしながら寝ているように見える。猫の寝息よりも腹の虫のほうが大きく響くようになって、昼前にブランチを摂っておかなければ、と思うのだけれど、下でのバトルが終わる気配がない。諦めて本を読む。こちらの会議が始まる頃に向こうが終わったのだろう。あんなにべったりしてくれていたルドンはあっさり下に駆け出して、ニャー!と大きな声で奥さんを呼び始めている。腹を空かせた人間だけが二階に取り残されている。
猫のトイレは階段の下のスペース——ハリー・ポッターが寝起きしていたところ——に構えられており、その向かいに人間トイレのドアがある。だから人間がトイレに行くのを別の人間が目撃すると、あ、猫はうんちしたかな、と連想するようになっている。人間が便器に座っていると、扉の向こうから、ジャッ、ジャッ、と猫砂を掻き分ける音が聞こえてきて、なんとなく自分の排泄の世話をされているような気分になってきてよくないので、やめませんか、猫のトイレはトイレを済ませたほうの人間が掃除すればいいんじゃないですかと提案する。
TOUTEN BOOKSTORE で買った『霊性の日本史』を読み始める。これはかなり面白そうで、新幹線に持ち込むかぎりぎりまで迷っていた、けっきょく実家から送ってもらうことにして、届くのを楽しみに待っていた。
夜、鷹木がぼこぼこにしてくれると信じていたのに海野が勝ってげんなり。アンチってこう言うことなのかもな、と思う。まじでおもんない。
寝る前、奥さんと錆び取りのストレッチ。ルドンがやたらまとわりついてくる。仰向けになって呼吸をしているとお腹の上で香箱座り。四つん這いになるために落とす。再び仰向け。両方の足の裏を外側から掴んで股関節をひらきながら左右に揺れる動きをしていると、開け放たれた股に容赦なく肉球をお見舞いしてくるので、ふぐ、と声が出る。お構いなしにそのまま胸の上までのぼってきて、悠々と毛繕いを始める。猫に邪魔されながらも泰然とヨガをする人たちをInstagramとかで見たことあるけれど、あれはかなりすごいんだなとよくわかった。
