2025.04.05

奥さんは五時ごろ猫に呼ばれて起き出して、午後ちかくまで二度寝した。はやいうちに録音。終盤、ポッドキャストでは話したくないことに触れたのでばっさり切る。すこししょげた気持ちになる。いま再び、賃労働についてうまく語れない時期にある。遅めのお昼はピーマンのだけスパ。バターの量が豪勢で、ふたりでびびる。そりゃおいしい。ピーマンを焦がさずしなしなに炒める方法は模索するべきだった。それから、それから何をしていたのだったか。多分食事中からコナーズデスペ戦をみて、昨晩のジュニアタッグの試合はかなりよかった、このハードコアマッチも楽しい、それで、それから、この日記は六日の夜、帰りの電車で書いていて、きょうも楽しい一日だった、デートの滑り出しは最悪で、だからこそ右肩上がりの日だった、帰りに日記を一日溜めているのを思い出して、もうすでに色々忘れていそうだった、そうそう、家を出て、トライバルカカオでおいしいホットチョコレートと、チョコレートシェイク、そしてガトーショコラをチョコレートの工房に併設された小さなカフェスペースで食べた。時間がまだあったので高島屋のくまざわ書店をひやかして、それからキネマ旬報シアターで『トワイライト・ウォリアーズ』を観た。これだと黄昏の戦士たち、という感じだけれど、Twilight of the Warriorsだから戦士たちの黄昏のほうが近くて、そしていい題と思う。いまどき珍しいほど、清々しい少年漫画っぷりで、男たちしか中心に据えられていない。龍兄貴が格好よさのすべてを兼ね備えたわがまま定食といったところですごかった。あんなにすべてを兼ね備えるキャラクター、なかなか見ない。格闘シーンの要所要所でプロレス技があり、そのたび心の中のミラノコレクションA.T.が技名を叫ぶ。プロレスのカメラに慣れていると、自ら躍動してしまうカメラに煩さを感じなくもないけれど、全体としてはここまでストレスのない映画も久しぶりで、楽しかった。娯楽作という感じ。前日譚はぜったい制作されるだろう。エンドロールで、スタッフが工作人員と表記されていて、具体的な役職の漢字表記も面白く、へえ、あれはこう書くのか、と思っていたけれど全部忘れた。夜の柏駅は怖そうな人たちが気合の入ったおしゃれして屯していて体感される治安が悪く、映画の延長のようで気持ちが昂ぶる。ジンギスカンを食べて帰る。眠すぎたが、燻されたのでお風呂は頑張る。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。