行き届いた格好いいカフェに行きたかったが、現存する場所で思い当たるところが遠方ばかりで、雨なので断念した。
きのうもアーカイブで見たが、今日もMANKAI STAGE『A3!』ACT3! 2025 前期B公演を見る。今度はライブ配信。きょうが千秋楽。天馬と綴がそれぞれ、先行者から突きつけられる、もっとシリアスであれ、という圧を正面から重く受け止め、悩みながらも、いやいや、おれたちは仲よく楽しくハッピーにやっていくんだ、という結論へと至るのが、ほんとうによい。エーステはこれまでも常にぬるかったし、初代たちのようなぎらついた真剣な空気がもつ緊張感やある種の不穏さ——快適でなさと言い換えてもいい——とは無縁だった。その無縁さが、今回具体的な批判として提示されるわけだが、それによってエーステのぬるさは、考え抜かれ、意志されたうえで選び取られた快適さであることがはっきりとするわけだ。
ぬるく、軽く、薄っぺらに、ハッピー。そうあることへの切実さや、真剣さというものがある。僕自身、そういうものに賭けたいと思っているのに、加齢とともにどうも熱く、重く、厚いものへの思考へと流されがちで、そんなことではよくないな、と反省した。
なにより、綴の決意をもたらすのが、かれが過去に書いてきたテキスト、それもテキストそのものではなく、戯曲を書き手以上に全霊で読み、解釈し、身体化した俳優たちによって書かれ、演じられた続きのテキストであるというのが、もう、震えるほど泣ける。
やる気が出てきて、カフェに行けないのなら自分たちでケーキを作ろうと思い立ち、スーパーで買い物。四年だか五年前のフヅクエのメルマガを発掘し、そこに記されたチーズケーキのレシピでチーズケーキをつくる。冷ますのが待ちきれず暖かいうちに食べたらでろっと崩れて冷たくしたほうがおいしい味がした。焼いている間にカレーも準備しておく。奥さんもゴルゴンゾーラチョコケーキを焼く。ごはんを炊きながら録音。エーステの話をしながら案の定泣き、声を詰まさせ鼻を啜りながら喋る。カレーを食べて、ケーキを食べる。おいしくできた。自分でおいしいものが作れると嬉しい。食べながらA公演も見返していた。なにかを作っていたほうが元気なのだった。本も芝居も、作り続けていきたいな、と久しぶりにそんな気分が湧いてきている。咲くぞ!
