2025.05.16

ぎりぎりまで寝てしまい、朝は二十分しかなかった。これまで十分もなかったのだから、これだけあって、ないと感じるのは朝をつくれてきている証左であると自分を励ます。しかしこれでは本が読めない。七時起きと決めたらなにがなんでも七時に起きるのがよい。睡眠時間の帳尻を合わせるよりも、起床時間を固定するのだと何を参照しても書いてあるし、じっさいその通りだという体感もあるのだけれど、どうしても沢山寝ていたいという欲望に抗えない。寒暖差や陽射しに草臥れているというのも大きい。『民のいない神』は朝の本だから、もう一週間くらい話が進んでいない。

電車では『ダロウェイ夫人』を読んでいた。どうしても『ボヴァリー夫人』とごっちゃになる。夫人ってすごい言葉だ。夫の人。大学生のころ、三十ページくらい読んで、あまりに面白く、満足してしまってそれきりになっていた。すでに読んだことない箇所を読んでいる。ずっと面白い。ニコール・キッドマンのつけ鼻を思い出す。入水のシーン。ポケットに石を詰め込んで、静かに、画面左側から右手の川へと歩いていく。『めぐりあう時間たち』は小学生だか中学生のころに見て、なんだかすごく感銘を受けたような感触と、この断片だけが残っている。また見てみようかと思う。本が読めないとき、映画を見ている。映画のほうがはやくて容赦がないから。六時間の読書に匹敵する情報に、二時間で対面することができる。本は勝手に中断したり戻ったりできるが、映画は待ってくれない。受け取りきれるかは心許ないけれど、本だって大半は取りこぼすのだから問題ない。

なんか今日は夕飯が豪華になっちゃったのでパーティです[Wrapped Gift Emoji]

奥さんから連絡。パーティなのでケーキ買って帰る。生ハムとミニトマトの冷製パスタ、鶏の黒酢ソテー、巣籠スープ。パーティなので誕生日が前倒しできて、ご馳走のあとはプレゼントをもらう。マイクとルービックキューブの詰め合わせ。ルービックキューブはピラミッド型や2×2のものや、ハンドスピナー型のものまであって楽しい。限界まで眠くなるまで夢中でかちゃかちゃやる。マイクのセットアップはまた明日だ。眠すぎてまったくやれる気がしなかった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。