2025.07.06

二階の図書室は寝室と図工室への扉がある面を除いた三面に本棚があり、二面は壁付けなのだけれど、室外機のあるベランダへと出るガラス戸のある面には猫トイレを置ける程度のスペースが空いている。クーラーはこの窓のある面の上部にあり、風を通すためにクーラー前の本棚はほかのそれよりも一段背が低い。ついこの低い天板の上にヨギボーの膝起きラップトップデスクを収納する習慣がついており、それによって今日は一日二階が暑く、ヒトらは、なぜだろう、あまりの暑さで壊れてしまったのだろうか、と訝しんだものだが、じっさいはラップトップデスクがひやひやに冷やされ、さえぎられた風が落ちていって窓際の猫トイレのスペースだけが貯蔵庫のような涼しさになっていた。

そんな過ごしにくい二階で、ひたすら未見の2.5次元舞台の味見をして過ごした。奥さんが今度見に行く『ジョーカーゲーム』の初演を見るためにDMM のサブスクリプションに登録したので、せっかくだからということになった。『ジョーカーゲーム』は西森演出ということで、ほとんど『メサイア』で、しかも『メサイア』の悪いところが、『ジョーカーゲーム』のよいところを損ねるようにして出てしまっていた。そもそも小道具が多いわりに芝居が小さく、舞台に向いてない。口直しのつもりで見た『モブサイコ100』も場転が野暮ったく、全体のギャグのテンポももったりして見えてしまう。映像の使い方も安易で冴えないし、無理にアニメの再現を求めるあまり舞台でやる必然性がないどころか、無理やりやってみましたが案の定こんなものです、という感じになっておりダメだった。面白くないなあ!と思い、少しだけ出かけていき、サイゼリヤで昼食。前に行ったとき、もう二度とこないかもと悲しくなるほどメニューがスカスカだったのだけれど、すこしずつ戻ってきているのか、今日はふつうに楽しめた。

帰宅して『ヒプノシスマイク』のこれはライブを見て、廣野凌大がよかった。エーステの柊さんも出てた。知らない人たちのライブだから面白いというほどではない。んー、と思い、ハイボールを飲みながらいっそ舞台から離れてみようかと『真夏の夜のジャズ』を流し始め、格好よく、気持ちよく寝た。

あまり食欲はなかったけれど、奥さんが和風だしのカレーを作ってくれる。その支度をしながら見た新日本プロレスの中継がいちばん楽しかった。タイチ石井から見始めたのだけれど、これが圧倒的で、セミとメインがかすむほどだ。とはいえデスペと藤田の決着を見届けて、すこし淋しいような気さえする。シャワーを浴びて、二階の猫トイレの様子を見に行って、件のヨギボーの妨害にようやく気がつく。寝るまで「バトルライン」で勝負して遊ぶ。いい感じに拮抗しており、飽きがこない。一緒に遊びたいという気持ちを満たしてくれる。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。