2025.10.06

クーラーのない寝室が寝苦しい程度には温かくなり、明け方にはルドンが入ってはいけない部屋に侵入した。ふたりして寝不足で、体調がぐずぐずぼけぼけ。洗濯をしたらお気に入りのTシャツに思い切り色移りして手を尽くしたがどうしようもなかった。労働で嫌な目にあった。洗い物をしたら床とズボンがびしょびしょになった。本が読めなかった。デスペとDOUKIの試合がしょぼくれていた。散々な一日、とまとめるのはたやすい。現実とはとかくチビシーものなのである、と落涙したくもなる。あるいは、人生とは悲惨そのものだ、と表せすことさえできるかもしれない。しかし、それはあまりにも大袈裟だ!

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。