2025.10.27

調子が悪い。ルドンがずっと膝におり、励まされる。うりうり撫でくる。猫は温かい。どうにもしんどく、昼寝のためにルドンをどかしてベッドに倒れこむと、すぐさま添い寝しについてくるのでかわいい。なにもしないでいると一日はあっという間に過ぎる。虚しい気持ちになるが、書き出そうと思えば『ウォッチメン』も見たし、夕食に肉団子スープと白和えもつくったし、奥さんに脚を揉んでもらったりとやっていなくはないのだけれど、本を読んでいないと充実感がない。というか、文字から触発され文字を書くという形でないと、充実していると感じられない。文字による充足さえあれば時間はたっぷりと内容を含んでゆったりしているのだけれど、そうでないとどうしてもさらさらと零れ落ちていってしまうような気がする。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。