2026.02.15

くしゃみが止まらず情緒がぶれぶれ。春だ!

「Image Cast」を聴いてからずっと気になっている根室花まるに行ってみたいのと『銀河特急ミルキー☆サブウェイ 各駅停車劇場行き』を見たいのとで錦糸町デートが決定する。春なのでHomme Plisséをおろしちゃう。奥さんも着れる季節が限られているお気に入りの白の穴ぼこジャケットでおめかし。僕が白のコートを羽織るので、上は同色、下は補色という高度な合わせのようになって可笑しかった。

車内では本を読むつもりが、Lifeの予告編が公開されていたので確認する。思ったよりちゃんと受け応えした感じになっていてよかった。錦糸町に着いたらまずオリナスの地下のフードコートに向かい、あほやのたこ焼きを食べる。これめっちゃ好き。映画のチケットはU-NEXTのクーポンを使ったが、特別料金なので勿体なかったかもしれない。たこ焼きの後もすこし余裕があったので奥さんの靴をちょっと見る。小さい足は合う靴が少なくて大変だ。

けっこう人が入っている。『銀河特急ミルキー☆サブウェイ』は映画館で見るにはちょっと寄りの絵が多すぎるかもな、そもそもあのテンポはあの尺じゃないと成立しなさそうと思っていたけれど、後者についてはぜんぜん大丈夫だった。前者についてももっと貧しいルックしかない映画もたくさんあるのであまり問題にならなかった。繋ぎの処理は相変わらず上手で、もとからあるリズム感が損なわれていない。映画館の音響で聴くとそれぞれの発声が粒だってくるので聞き取りやすく、ここは好みが分かれそう。僕は全ての台詞がわかって嬉しいのと同時に、べちゃっと音が潰れて聞き取れないくらいの方が楽しかったところもある。声は録り直しているのだろうか。元のバージョンよりも気持ちゆっくりな発声に感じられる箇所があったような、間の調整で印象が変わったのかもしれない。追加のシーンで膨らんだのがリョーコさんのエピソードなのもリョーコさん好きなので嬉しい。昔はワルかったがいまは更生して警察官にまでなっているという背景もあり、後輩からも同僚に対してよりも犯罪者への対応の方が柔らかいと指摘されるリョーコさんが、「クズ」たちの救出を渋る上層部に憤り啖呵をきるさい、あいつらだっていつかは人の役に立つかもしれない、と口走るのだけれど、これはリョーコさんがリョーコさんだからこそ出てくる言葉で能力主義とは遠いところにある感触があるし、そう言って救出に飛び出したところで犯罪者たちは自分たちであっさりと事態を解決して帰ってくるわけで、すくなくともこの物語においてはリョーコさんは何の役にも立たないまま終わることをテレビ版を見ている観客は知っているわけだ。

満足して、根室花まるに向かう。到着時に確認すると行列していたのであほやを先にしたのだが、夕方でも三組くらい並んでる。でもかなり回転が早くて、あっという間に入店できた。明るい店内は外から見るより開放感があって居やすい。さっと頼んでさっと出てくる。快活な厨房のやりとりも気持ちがいい。寒ぶり、しめさば、さんま、真いか、ねぎとろ、筋子と食べてぜんぶおいしくて、いちいち奥さんの方を見る。にこにこだった。最後に二人で一緒に頼んだほたてが最高だった。こりゃあいいや。

さくっと帰ろうと思って電車に乗るのだけど、乗り換えの際に疲れがやってきて、せっかくだからお茶していこうかと椿屋に入る。苺タルトはあまり選んだことのないものだったけれどリピートしたくなる。なんだかんだでしっかり話して、ゆっくり帰る。

家では録音、のちに遅めの夕食。豆鍋に花山椒塩や中華ポン酢で味変しつついただく。お風呂の後にはチョコレートをやりつつ、三日溜まってしまった日記をやっつける。すっげえ眠い。でも、もうこれ以上日記を溜めたくないんや。だって、書いてないと気持ち悪いんだもん。でも、こんな時間まで起きてたら明日起きられないじゃんね。ルドンは待ちくたびれて、力尽きたような体制で眠っているけれど、日記を書き終えた人間が寝室に上がっていったら律儀に起き出してついてくるのだろう。生活リズムが不規則でごめんね。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。