電車を乗り継いでターミナル駅のデパ地下でお弁当とお煎餅を購う。同一の名前の公園がほかにもあって一駅勘違いしていたのに土壇場で気がつけて、mapsで調べ直すと川沿いを歩けそうなことが判明。こりゃうきうきだ。平井駅で降りて、荒川の河川敷までまっすぐ出て歩く。前の北千住に引っ越しを決めたのは荒川の土手が最高だったからで、いまの家は近所に川がなく、それがもしかしたらいちばんの不満かもしれない。自転車で川まで遠出しようかと話していたところだったけれど、きょうこうして川沿いを歩けてたいへんごきげん。同じ荒川でもここらは一層寅さんの雰囲気が感じられるのは水辺まで降りられるかどうかのちがいだろうか。北千住の辺りはコンクリートの段々で水辺まで近づけた。
三十分くらいたのしく歩いて、大島東小松川公園に到着すると、入り口付近がものすごく煙い。バーベキュー会場になっているのだ。思った以上に本格的な公園で驚く。牡蠣のキッチンカーまで出ている。メイン会場は傾斜のついた原っぱで、木陰にテントが設営されている。陣地はレジャーシートで拡張されていた。子供らと犬と親たちが先に到着していて、そもそも今日のピクニックの全容を知らないまま来ている。気持ちのいい場所だ。みんな思い思いにテントやレジャーシートを原っぱの外縁に展開して、原っぱのまんなかのトロの部分では凧揚げやキャッチボールが行われている。小さいのが駆け回り、大人らが寛いでいる。ごきげんな雰囲気のなか買ってきたお弁当をあける。今半のお弁当はずっと憧れがあったのだ。食べていると鮫くんたちや工藤さんもやってくる。幼稚園つながりの人たちとポッドキャストの人たちとが混ざり合うわけでもなく同居している妙な座組で、わけわからんくていい社交だった。たくさんあるお菓子やお弁当で満腹になりながらおしゃべりをして、犬と一緒に公園のぐるりを缶ビール片手に歩き回り、大人たちでドッチビーで遊び、子供たちの遊びを眺め、犬を撫で、足で地面を蹴るタイプの自転車でどこまでも駆けていく子供を必死に追いかけた。木陰に戻って工藤さんからポイエティークRADIOの話し口について朗らかに問い詰められ、答えに窮して五つくらいの間違った仮説を提示しては棄却し、なんだかんだブレイクスルーがあったような手応えがあった。工藤さんのソクラテス的問答術はすごい。にこやかなトーンはまったく崩さないまま、でも納得のいく結論に至るまで絶対に逃がしてもらえない凄みがある。
太陽の下でのんびり過ごすというだけでずいぶんと楽しい。ピクニックはいい。夕方までたっぷり遊んでもまだ名残惜しく解散。また荒川沿いを歩くのだというと鮫くんとももんがさん、工藤さんもそうするというので一緒に歩く。やはり歩きながら話すのがいちばん好きだ。あれこれと愉快な話をした。だんだんと日暮れていく土手を抜け、せっかくなので空き地さんかくでちょっと座っていく。改札まで見送ったあと、さんかくの通りに構えている蕎麦がうまいという中華屋に行ってみたくて奥さんと夕飯をとることに決める。鮫くんも付き合ってくれて三人でご飯。ビールも頼んじゃおう。水餃子も蕎麦もうまかった。ここでも愉快におしゃべりして、鮫くんと奥さんがほとんど差し向かいで真剣に話すというのはじつはけっこう初だったのではないか。だいたいもっと他に人がいて、鮫くんがふざけて奥さんが顔をしかめているような気がする。ちょけずに話しているぶんには奥さんも楽しそうでうれしい。鮫くんと解散して、まっすぐ帰る。さすがにへとへとでお風呂を使い、甘いものをお供にお茶をして一息つく。なるべく寝支度を済ませて、それから録音。中華屋ではもういっそ十分くらいで済ませちゃうのもいいねと話していたくせに、もちろん二時間コース。終えるころには日付を超えており、明日は月曜なんだよね、と思うがそこまで悲壮感がないのは在宅で済ませられるからだ。今年度は不必要な出勤はしないでよいのがいいところ。どろどろに眠い、という実感はなかったけれど、横になった途端泥になる。
