リュック型のソフトケージにルドンを入れてタクシーを呼ぶ。自転車でも行ける距離だけれど、陽射しがつらいのとすこしでも快適にしてあげたい。とはいえケージの狭さが嫌いなので車中でも待合室でもずっと鳴き続け、メッシュの小窓のところに頭を擦り付けたり中でぐるぐる回ってみせたり大暴れ。年に一度のワクチンの日だった。昨年はもっと心細そうな不安が伝染してこちらの胸が張り裂けそうな声で鳴いていた気がするけれど、今年ははっきりと怒気を感じる。ふざけんな、出せよ、おい、出せよとばかりの勢いで鳴き続け、これまた昨年は待合室の犬も猫もみんな静かでルドンだけが鳴いていたのだが今年もそうで、でも大型犬がずっとスッハ、スッハ、スッハ、スッハと息が荒く、スッハ、ア゛ーーーン、スッハ、スッハ、ア゛ーーーーーーン、スッハ、スッハ、ア゛ア゛ア゛ア゛。診察台に載せられるとぴたりと静かになって、きょろきょろあたりを見渡している間に体重を測られ——太った——、お尻に注射を打たれてあっさり終わる。帰り道はまたア゛ーーーン。タクシー運転手にどっか悪いの、と訊かれヒトが代わりに応える。いえ、病院も平気なんですが、とにかくケージが嫌いみたいです。帰宅後、詫びちゅ〜る。
