2021.05.06(2-p.53)

労働の合間に粛々と制作。今日にでも宣言の延長の方向で調整が落ち着く見込みのようだから、文フリにモチベーションを設定するのであれば今日のうちに終わりが見えていた方がいい。今のタイミングでなければできない告知などもやっておきたくて、労働はゆっくりめな立ち上がりでよさそうだったのをいいことに、やりたいことをやっておくことにした。こういう裏切られることを薄々わかったうえでの約束みたいなことって、どこか自傷のようなことでもありそうで、けれどそうでもして未来に期待している身振りだけでも保ちたいというような気概もあって、どうにもままならない。フリーペーパーの原稿の進捗は八割くらい。レイアウトを考慮すると全体ではこれで五割くらいだろうか。とりあえず発表の仕方は後で考えればいいのだから完成はさせるつもり。

満足したので労働も進める。ビジネス書も横断して読むと頻出語彙や引用されがちな論文やツールというものが見えてきて面白い。どんな本も一冊で完結させずにあっちこっちに関係の網の目を張っていくような読み方が始まってからようやく面白がり方が見えてくる。ざっと見ただけでも嫌になるくらいてきとうな引用や猿真似が多そうなのも、自分でクオリティの精査を実施する手間が増えるのを楽しめるのであれば悪くない。そういう楽しみ方もあるとは言えそうだった。

気に入らない靴下を全部捨てる。緊急事態は延長されるらしい。『鬱ごはん』の最新話に頷く。人生に万全な日はない。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。