気持ちが塞ぎがちでどうも文字だけを追う気にはなれないし映画を観る気にもなれないな、と思い、電子で買っておいた『憂鬱くんとサキュバスさん』の一巻とそれに続けて最新回まで読み続けるとはっきりと癒されるものがあった。まず「サキュバスちゃん」じゃなくて「さん」付けなのがいい。とにかく他人との距離感が優しい。その上で軽いのがいい。へらへらと読み進めているうちにふいに泣きそうになる。ため息は暴力、というくだりで毎回頷く。パーソナルスペースをあえて侵犯してそっと寄り添うところで鼻の奥がツンとする。この漫画とあとは『はぐちさん』が、賃労働に圧迫されていた頃に出くわして大袈裟でなくこれは自分のために描かれていると感じた漫画で、いまでもこうして読み返してしまう。弱っているときに必要なのはこういうもの。いつか2巻が出たらいいな、と思う。
それで元気が出てピンチョンを疲れるまで。そのあと『小説の誕生』を最後まで。ベランダからの風がぬるい。
風呂場で奥さんに髪を刈ってもらう。さっぱりとした気持ち。
VIDEOTAPEMUSIC のあたらしいMV が好きな感じで、この人の音も映像もいつも本当に格好いい。