2021.06.12(2-p.53)

昨晩からは六章を一生懸命進めて、僕がFGO を始めてから初めての本編の進行だった。久しぶりに楽しく遊んでいる。これまではネロちゃまのことしか考えられなくなっていたけれど、あきらかにネロちゃまの出番がないシナリオでもちゃんと面白ければ面白い。間隔が空きすぎて前回までの流れがあやふやだけれど、壮大なスケールの自己犠牲がマンネリ気味だったのはたしかで、そのあたりを回避する巧い導入だと思う。そもそもがこれはマシュの物語なのだ。二部に入ってからのマシュの魅力のなさはすごくて、特にユガのある夜の生き残った側の無自覚な傲慢さには奥さんと二人でだいぶ引いたのだけど、ここにきて再び物語の中心としての魅力を取り戻しにきたように見える。しかしいつまでも純真無垢ではいられない、というのが二部に共通する態度であるのだから、魅力が結局は素直さに還元されてしまってはしかたがないように思う。これからどうなるのだろう。それよりもなによりも羽海野チカの絵が!

と、ここまではFGO をやっていない人からすればわけのわからない文字の羅列だろうがだんだんそこらへんはどうでもよくなってきた。どんな話題や言葉遣いであれ、古びるときは古びるし、シニフィアンが失効するときはそうなる。日記なのだからむしろ振り返った時に自分でもよくわからない方が面白いだろうし、流行りのゲームの話だけを回避したところで普段からこの日記はその時々に読んでいる本を明示しないままにほのめかしたりサンプリングしたりしているのだから、伝わる人にしか伝わらないし伝わりそうな人にも伝わるかどうかは微妙な書き方をしている。ピンチョンを読んでいると登場人物の過剰な量や、エピソードの氾濫や、史実からパラノイア的態度で引き出してくる小ネタの数々に、あれ、この面白さってだいたいFGO と同質かも、と思う。

15時ごろ、トンキン湾で発達中の熱帯低気圧が台風4号に変じる。この台風は予定通りコグマと名付けられる。小熊はこのまま西進しベトナムへ向かう。同時刻iPhoneの充電をしに寝室に向かった奥さんは気絶するように寝こけてしまった。石を九〇個くらい割るが面白いぐらい虚無だった。

職場で限界を感じていた時、POP LIFE を聴いていたらハッとしてポチっていたビクトル・エリセのBlu-ray BOXが届いている。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。