午前遅くまで寝ている。発熱はないようだがとにかく無気力で布団に居続ける。昼まで布団で映画観るか、とタブレットを引き寄せて、なんとなしに90分以内でなんか評判よかった気がするやつ、というだけで『THE GUILTY/ギルティ』を再生する。とてもウェルメイドな作品で、面白かったのだけど、画として禁欲的なぶん研ぎ澄まされた緊張感がすごくて、ぐったりしてしまった。食欲はそんなになくて、でも動けそうなので亀洗いや冊子の原稿の校正を返したり、活発に動く。すると疲れた。アイスを食べて、しばらくすると遅めのお昼を奥さんが作ってくれる。カレー。食べるのも疲れるようで布団に引っ込む。
「フリムジ」というポッドキャストをぼんやり聴いている。とてもよい。ジャームッシュを語るその語り口がジャームッシュ的である感じ。穏やかな退屈を味わう、その練習としてのジャームッシュ。そのまま過去回へと遡り、がぜん観たくなったので『ストップ・メイキング・センス』を観始めたら布団の上で踊り出してしまって今になって熱が出てきた。
若林恵が代理ホストで宇野重規をゲストに迎える「RADIO SAKAMOTO」のノーカット版をiPhoneからYouTube で流し、BGM代わりにもう一度『ストップ・メイキング・センス』をiPadで再生する。今度は布団に横になって耳だけで。気持ちはとても元気なのだがどんどん体の内側が熱くなって動けないのでちぐはぐだった。中だけ熱くて、汗が出ない。ふぅー、ふぅー、と深いため息を吐くようにして熱を逃がそうとする。夕食は炊き込みご飯とすだちうどん。もりもり食べる。食べることで暑くなるぶんだけ汗ばむが、熱っぽいのはそのまま内に篭っていてなかなかない不調和で愉快だった。けれども側から見ると、無表情でため息ばかりでだいぶ駄目そうだろう。奥さんは、ふだんいつもニコニコしてる人に表情がないの怖い、と悲しそうだった。実は夕食のためにリビングに出たところズボンが濡れているのに気がついて、慌てて寝室に引っ込んで確認するとパンツも濡れていたので素早く着替えたのだが、夕食の席にはそのショックが尾を引いていたというのもある。びっくりした。僕としては意識をつねに保っていたつもりだったが、いつの間に漏らしていたのだろう。さっきトイレに立った時、済まない内からパンツとズボンを履き出したという可能性もあるが──布団は無事だったからこちらの方がありうる──とにかくぼんやりしているというのは確かで、そうか、と思う。食後に洗面所で簡単に押し洗い、のち漬け置き。
今日は日記が書けるかわからなかったからつどツイートで記録していたおかげでさくさくと書けてしまうが、こうして簡単な記録に偏ってしまうとあとから読んでもそこまで面白くはないかもしれない、とも思う。けれども熱出してる自分にまで日記に面白さを求めても酷だろう。とか書きつつ、まだ書けそうだなと思って前段の終盤を書き足したら普段以上に赤裸々な感じになってしまった。これは後から読んだら大苦笑まちがいなしだ。