2021.10.17(2-p.166)

今日何にもしなかったな。

夕食の中華丼を前につぶやくと、ゲームしてたでしょ、ゲームだけはしてたよ、と奥さんが応える。昼まで寝て、EXTELLA をすこし進めて、天丼を食べて、それからは二人で『月姫』をソファや布団にごろごろしながらずっと進めていた。シエルルートはにこにこ嬉しそうな顔した人がほとんど出てこないというか、進めれば進めるほど説明が増えて、そこで明らかにされる事実が重たいものばかりで、何をモチベーションに進めればいいのかわからない。息抜きにEXTELLA に逃げたくなる。アルテラが可愛いからだ。あんなに綺麗な声を出せる声帯が、『月姫』では下着丸出し謎医者なのだからすごい。なんで? シエル先輩も源さくらとお揃いの声帯のようなのだけど、これも全然わからない。そういえばお風呂にも入った。浴槽の中でTwitterのハッシュタグを追いかけて、今日はホワイト竜さんが現れたことを知り、それはどうやら映像だったようで、どういう流れか映画化のお知らせがあったようだった、そこでタイムラインの加速があって、もう全部は追いかけられなかった。昨日のライブではサキちゃんの声帯の人がまだ何にも決まってないと言っていて、多分本人たちにもサプライズのやつなんだろうなと思いつつ、ちょっとがっかりして、今日は配信は見送ったけれどこうしてタイムライン越しにセットリストの確認などはしていて、嬉しいお知らせを臨場感を感じながら迎えられてよかった。楽しみだなあ。これから先の日々に、楽しみがあるというのはいいことだ。

ゲームは僕はしかしなんとなく何もしなかった、という気持ちになるようで、映画や本だったら僕は無限に浴びていられるのだけど、ゲームはなぜだろう、奥さんはそれはなんだかんだで有用性みたいなものでゲームを下に見てるんじゃないのと言っていたけれど多分そうではなくて、単純にゲームが一番慣れていない世界で、長くやり続けると疲れてしまうのだ。いまだに子供の頃の一日一時間のイメージが抜けないというか、それ以上やると疲れてしまう、という条件付けがなされているのかもしれない。

『月姫』は、とても重たいシーンで重要な人物が全裸マントで出てきて、『吸血鬼すぐ死ぬ』のゼンラニウムじゃん、と二人は面白くなってしまったのだけど、あれはエロゲ時代のなごりなのだろうか、全裸マントって面白いだけじゃないだろうか。僕にはもう何もわからなかった。

今日はずっと寒くて、明日も寒いらしい。このままずっと寒いのならいいけれどまた暑くなったりしだしたら耐えられない。もう僕の自律神経は限界だった。昼まで寝たのに夕方にも眠ってしまったし、まだ21時前なのにもう眠い。慌てて日記を書き出すと、何もしていないと言いながらよくもまあこんなに書くことがあるものだ。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。