昨晩は2時過ぎまで日曜の過ごし方を考えあぐねていた。さまざまに検索を試みてはよくわからなくなるのを繰り返しており、そもそもこんな時間までこんなことをしていては起きれるものも起きれないじゃないか、この一ヶ月、昼まで寝なかった日の方が少ない。そう思いつつ、僕は枕とマットレスの調整のおかげかすやすやと眠った。奥さんはそれから一時間は寝つけなかったらしい。
そして今日だ。朝飯を簡単に済ませてさてどうしようかと悩むうちに、昨晩からこれだけははっきりしていた「たこ焼きを食べたい」という欲望をとにかくどうにかしようと家を出ることに決まった。せっかくなので美味しいのがいい。あほやというのが錦糸町のオリナスに入っているというので、そこに行ってみる。道中で奥さんは錦糸町でのよさそうな遊びを検索し、ポールダンス教室の発表会というのを見つけた。ためしに当日でも行けるものなのか連絡をしてみる。昨晩からふたりに共通していたのは、すごすぎないライブや舞台を観たい、とにかくスモークのにおいを嗅いだり、パーライトの温もりを感じたいということだったのだ。水戸のライブハウスに行くことも昨晩は検討していたほどだった。たこ焼きは美味しかった。塩マヨが特に。大阪の味は品があって、東よりもずっと頭のいい味がする。どれだけどぎつそうに見えても出汁文化の強さを感じる、などと他所者らしく考える。
発表会は当日でも行けそうとのことだった。奥さんの眠気が限界だったので、オリナスと公園を挟んで向かい合うビッグエコーで仮眠を取ることにした。ソメイヨシノが満開で、祭りが催されていた。前に見にきた河津桜は見事に青々としていて、季節の切り替えを見せつけられる。ビッグエコーの個室は謎の配信部屋のようなインテリアで、隣からはサックスの練習が聞こえてきたから誰もカラオケをカラオケとして使っていない。僕たちもテレビも電気も消して、奥さんはソファで仮眠をとる。僕はiPhoneのライトで手元を照らして『パロールの奪取』を読んでいた。最後の20分くらい、せっかくなので歌った。『プリティーリズム・レインボーライブ』の歌を主に歌った。
ポールダンスの発表会。まったく知らない人の発表会に行くというのは酔狂な遊びだ。くせになりそう。パーライト可愛かった。ミラーボールを格好よく照らしていた。僕たちの席は演者の控えの席の真後ろで、とにかく会場にはハケ裏が存在しない。それもよかった。発表者の慌ただしさや緊張や張り切りが見て取れる。生徒さんの演技を見て、ポールダンスというのは降りるのが難しいのだと知れた。また、筋肉と柔軟性が不可欠だが、筋肉は感じさせてはいけないというか、講師陣のきれいなダンスはとにかく重力を忘れさせるというか、体にかかっているはずの負荷を感じさせない。あらゆる演技は上手くないものを見てはじめて上手さがわかるようになる。とはいえ上手くないものがつまらないわけではなくて、この日のために振り付けを覚えたり、まじめに練習したんだなあ、だとか、今日この日に舞台の照明を一身に受けるその姿はそれだけでなんだかいいものだな、と思う。むしろ一人も知り合いでないからこそ、全員に等価に無関心で、そのほうがプログラムを通して楽しめるのではないか。生徒さんは自分の番が終わるとすっかり弛緩して自撮りの加工やSNSへのアップに余念がなく、それは他の生徒や先生がたのパフォーマンス中であれ止まらない。なんなら隣同士でおしゃべりを始めてしまったりもして、奥さんは小学生の頃のバレエの発表会を思い出した。なんだかんだと楽しめた。エアリアルという、輪っかで踊るやつがよかった。劇場を出ても明るいのは変な感じだ。
小腹が空いてまたオリナス。ブックオフをひやかす。今日のお宝はペダステのDVD。マルイの上のイタリアンで夕飯を食べて、ごきげんに帰る。
