2022.06.26

円盤に乗る場。活動報告会と銘打たれた催しで、今日はフムヌスのワークショップ、中村さんのガルシア=マルケスのシナリオごっこが実施され、その後僕らの怪談をめぐる鼎談が予定されていた。フムヌスのワークショップが開催されている途中に遅れて会場入りした僕は、この日の成功を確信した。というのも、きょう高田さんが朗読する予定の怪談が「あの日 三題」という震災モチーフのものだったからだ。会場の柱に貼り出された写真、ワークショップで顕現させられていく風景の名残、そうしたものを引き連れたイベントになるだろうと思う。

次のガルシア=マルケスもよい。僕はつねづね実話怪談とはラテンアメリカ文学であると言っているから。こうしてどんどんパラノイアが強化されていく。

高田公太さんと蛙坂須美さんとの実話怪談を巡るトークイベント。事前に二回も打ち合わせていただけあって、危惧していた脱線も抑制しつつ、二時間で語れることを語り尽くし、語り尽くせなさも予感させるいい会になったと思う。これだけ終えた瞬間から満足して自信満々に「面白かったでしょ?」と言えるイベントは初めてで、かなりの満足感がある。

新世界で打ち上げ。ここでの話も最高だった。録音して書き起こしたいくらいだったけど、日記には残さない。酔っ払ってるから書くのが面倒だし、いい話であればまたどこかで話すだろうから。円盤に乗る場のメンバーと怪談作家との繋がりを作れたことだけでも今回やった意味があるな、と嬉しく、フムヌスのお二人と高田さんのやりとりを聞きながら、嬉しくて怖いくらいだな、とにこにこしていた。またこの人たちと何かやれたらなあ! と心底思う。

打ち上げを終え、車内で日付を越した。日記は書くには書くが、今日一日より面白くなることはない。ボイスメモにイベントの録音が残っている。今日を振り返るのならば、これを再生する他ないだろう。

口が臭えな。酒臭え。早く帰ってシャワー浴びたい。あした月曜ってなんなの? 人を馬鹿にしている。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。