例年より三週間以上も早く梅雨が明けたとのこと。水も電気も大丈夫だろうか。文明がなければ人が死ぬ暑さだ。文明がここまでの暑さをもたらしたともいえるのだが。
無料公開というのに引き寄せられ『宝石の国』を読む。キャラクターの関係を愛でるような読みを跳ねのけるような作品で好み。こういう関係が好きなんでしょ? という餌を撒いておきながらぜんぶ取り上げるような描き方なので意地が悪いが、これだけ明確に感情移入や二次創作的想像力を拒絶されると、こちらも神話を読むような遠さで読むことができる。連載再開してすぐに完結しそうな雰囲気でもあるのだけど、いったいこれからどうなってしまうのだろう。ちゃんと追いかけていた人は二年くらい待ったのだろうか。だったら僕もそのくらいは置いておきたい気持ちになる。作品から離れておく時間まで織り込まれてるようで、いますぐにどうしても読みたいというものではないのも気楽だ。これがどこかのキャラクターを好きになってしまっていたらこうはいかないだろう。
昨晩は暑さでろくに眠れなかった。寝入り端に悪夢を見て飛び起きる。本棚の部屋で眠っていると地震があって、雪崩れてきた本の下敷きになって奥さんの後頭部が『マリグナント』みたいにぱっくり割れる。中から脳みそが溢れていて、僕は慌てて拾い集めるが元に戻せない。どうにかしなくちゃ、とパニックになって、何を思ったか両手に掬ったそれを食べてしまう。ウニの味がした。そういう夢だ。怖過ぎ、と夢の内容を聞いた奥さんは爆笑する。これで私の趣味嗜好が感染ったりしたら怪談なのにね。
今晩はちゃんと寝れるといい。本棚の部屋の方が涼しいのだが、不穏なので移れない。