外に出ないと五〇〇歩も平気で歩かない。二日や三日続くとさすがに具合が悪い。腕立てとプランク、胸と股関節のストレッチはなるべく欠かさないが、これは最近は努めてやってるというよりも、日記みたくなってきた。特に腕まわりの筋肉については筋肉自身が大きくなりたがってるのを感じる。腕は面倒くさがりな僕の意志に関わらずもっと負荷を、もっと栄養をと訴えかけてくる。暇さえあればなにかしら重さのあるものを上げ下げしてる。自分が怖い。たしかに筋トレとは自己変容の快感なのだろう。そんなに大したことではないのだが。頭でない部位で行為させられること、ふだん自分が自分だと思っているもののコントロールの外に出ること。その快感のことを考える。
『ザ・ボーイズ』のシーズン2、このタイミングで観るとなかなかくるものがある。性加害を告発され謹慎し、孤立を深めていくヒーローに付け入るカルト教団。はじめは撥ね付けるのだが、そこからじわじわと取り込まれていく描写が余計に怖い。そもそもドラマ自体が要人暗殺ものなので、今これを面白く観れてしまう自分の感覚もどうかと思うのだが、非常に面白くて止まらない。登場人物の誰一人倫理観を信用できないことだとか、別勢力のエピソードの裏で大胆に省略される移動など、場面展開のたびにどこに連れて行かれるかわからない愉悦は『ゴールデンカムイ』や『チェンソーマン』にも通じる。
ビリー・ジョエルを聴きながら日記。しかし「We Didn’t Start the Fire」が「ハートにファイア」ってすごいな。