十四時から一六時の指定で荷物が届くので楽しみだった。作業中はニコラス・ケイジ特集。『カラー・アウト・オブ・スペース』と『マンディ』の二本立て。今日の我が家は新文芸坐だ。
クトゥルフの方が好みだったな。トマトダンクが白眉。ニコラス・ケイジの不安定さの表現が素晴らしくて、相手の話がまったく耳に入ってなさそうな顔をして実際意思疎通は取れていなさそうなのだけれど、遅れてけろっと応答したりする、その間合いの取り方の妙。いいニコラス・ケイジだった。
『マンディ』は『悪魔のいけにえ』の終盤を彷彿とさせる前半の絶望感がすごくてよかったのだが、とにかくそこが不憫すぎてその後の復讐パートもただただ凄惨で爽快感は皆無。なんだか落ち込む映画だった。そうしたどぎつさもそうだし、ざらついた質感や極彩色の色使い、過剰な画づくりと大仰な台詞回しなど、とにかく80年代あたりのカルト作品のパスティーシュなのだろう。ニコラス・ケイジの表情筋は宝だ。
十六時すぎてもピンポンが鳴らない。そわそわニコラス・ケイジと待っていたのに、遅延なのか配送漏れなのかわからないけれど、だんだん楽しみな気持ちも萎んでくる。
奥さんが夕方ごろから豚を圧力鍋で炊き始める。カレーらしい。スパイスのいい匂いがする。お昼が素麺だったのでもうお腹が空いてくる。
四〇分くらいの遅れで荷物が届く。VOU のスマホケースと帽子。やっぱり可愛い。スマホケースは透明のソフトケースで黒字で「林檎」と書いてあるやつ。ほんとうは「携帯」がよかったのだが、売り切れていた。iPhoneも黒なので、さりげなく文字が浮く感じになったら格好いいだろうと思っていたのだが、いざ装着してみると気泡が目立って格好悪い。失敗したかも、と一瞬落ち込みかけるが、気を取り直して白い紙をてきとうに切り取ってあいだに挟んでみるといい感じになった。こうして自分の雑な一工夫がうまくいくとなんだか楽しく日々をやっていける気持ちが湧いてくる。
待望の夕食はポークビンダルー。豚肉がほろほろで、クローブの効いたルーもこっくりと美味しい。ばくばく食べる。にこにこだ。
ご飯が早めだったから、お風呂に入って薬も飲んで、日記を書いてもまだ二十二時。なんでもできちゃうな。