2022.10.14

羽毛布団に替えた。

労働のあとは散歩をして、チョコレートやどら焼きを買う。お茶を飲みながら本を読み返し、ぼんやりと今日の進行を考える。『怪談散華』のお三方と録音。たいへん楽しく、この楽しさの一欠片だけでも聴く人に伝わったらいいなと思う。さっそく配信の手配をする。多弁な高田さんと僕が大半の時間喋っていて、でも蛙坂さんと卯ちりさんとお話ししたいこともきちんと提示できた気がするから満足。高田さんの怒濤の喋りの合間に割り込んで話す間合いがなんとなく分かってきた感じがあって、たぶん四時間くらい平気で話し続けることができそうだと思う。録音後、柿内さんはリテラシーが服着て歩いてるみたいな人だから、と高田さんがてきとうなことを言うのが面白かった。むしろリテラシーしかないね、リテラシーのために他のすべてを犠牲にしたような男だよ。お三方とも喫煙者で、高田さんの与太を聞きつつ煙を吐くのが格好よかった。

夕食のあと、奥さんと『最遊記歌劇伝』を観る。原作を読んでから挑んだので、二次元に寄せるところと寄せないところとが際立つようで面白い。アップになるとドンキに売ってそうに見えてしまう髪型を眺め、近年の鬘はとても進歩したのだな、とわかる。鈴木拡樹の二次元っぷりはやはりすごい。一人だけ文字通り次元が違う。表情筋や重心の移動、セリフに呼応した体の動き、隅々まで二次元表象のレギュレーションを我がものにしていて、観ていてとても気持ちがいい。表層の毛色はだいぶ違うのだが、アニメーションの悦びを身体表現で実現してしまうという意味で、僕は鈴木拡樹はジム・キャリーだった。半分くらいで抗い難い眠気がやってきて、日記も書かずに寝てしまう。何度か文字を打とうと試行したのだが、面白いくらい何も書けなくて、そのまま倒れる形だった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。