2022.10.22

朝起きるのが毎日辛い。人間ってそもそもなんで縦になる必要があるの? 寝てりゃいいじゃん。わざわざふたつの足の裏しか接地しないような体勢をとって、しかもそのうち片方をわざわざ持ち上げて前方にわざとバランスを崩すような無茶を繰り返して移動するとかわけわからん。

ぶつくさ言いながら出社して、労働。退勤後は新宿へ。歌舞伎町を久しぶりに歩いたけれど思ったよりも多くの人がマスクをしていて意外だった。ギラついた人たちがたくさん見られた。健康施設みたいな名前の怪しいビルの地下で高田さんや住倉さんのやっているコントを観た。つい最近『バチアタリ暴力人間』を観たので村上ロックが出てくると、あ、あの人だ、とミーハーな気持ちになる。生でお笑いの類を観るのは初めてにちかくて、そもそも僕はお笑いに疎い。のっけから最低な下ネタで、客席にいた小学校低学年くらいの子供がケラケラ笑っていたのでひやひやした。ボタンを押す仕事のコントがよかった。YouTuberのコントの途中から不穏なノイズがかかり出し、演出かと思っていたらスタッフ卓の方から焦った声が聞こえてきて、トラブルだったらしい。なんにせよ上演中に客席に聞こえる声量でざわつきだすスタッフというのはどうなんだろう、とは思う。復旧までの繋ぎのためにフリートークの時間があったのだけど、そうやって無理矢理ひきのばすのがクドカンのドラマみたいな事態で面白かった。BBゴロー、街裏ぴんくのお二人とも初めて観たけれど、安定感に芸歴の厚みを感じる。特に街裏ぴんくの大ボラ漫談はすごくて、帰り道にYouTubeでほかのネタも色々と観ていた。話芸がものすごい。ジャンクの伊集院や太田を彷彿とさせる喋り。トーマスのネタが好み。しかしコントの本編もそうなのだけど、主に下ネタの扱いで、流石にこれはきついな、という箇所があって、僕がお笑いに疎いのは素朴なマチズモの旧弊が驚くほど温存されている部分に引いてしまうからで、付き合い方がむずいんだよな、と思う。それはかつて好んで聴いていた深夜ラジオに感じていた難しさでもあって、お笑いと差別の近さにいつも戸惑ってしまう。お笑いとは見世物小屋にも似ていて、コントロールされた野蛮さを楽しむものだと思うのだけど、バランスを見誤るとあっさりとただの野蛮になってしまうように見えてしまうのかもしれない。

きのう脇腹のできものを潰そうとしたら中途半端に傷ついてしまって、歩くだけで擦れて痛いので困る。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。