巣鴨デート。プルジャダイニングでランチ。肉と芋に特化させて、ビールで楽しむ。ネパールのビールはラベルにヒマラヤの山が印刷されていた。茹でた豚のこめかみをクミンで炒めたマスジーラ、山羊肉をニンニクと生姜で炒めたタース、甘辛く煮たじゃがいもをスパイスと炒めたアルブテコ。どれも絶品。ここは二人でなく、何人かでいくつもの皿を分け合って楽しみたいお店だ。ゆっくりと味わいながらおしゃべり。いま食べてる山羊はなぜ悪魔の象徴になったのか、やっぱり精がつくからか、宗教と禁欲の話にうつっていって、午後さんのドスケベシスター論考が面白そうだというところに落ち着いた。
デザートには千成もなかの焼きたてのバターどら焼きを頬張る。塩は思い切って多めに振るほうが美味。店内の壁に貼られた新聞には、昭和12年の創業時にはもなかを百個食べたら十万円という催しで耳目を集めたとあり、当時の十万円って、と検索してみるとそこから二、三十年はくだって1950年代で大卒公務員の初任給が六千円ほどというのが出てくる。これがほんとならかなりの大金だ。
満腹満足。地蔵通り商店街を抜けて都電に乗ってあらかわ遊園で遊ぶ腹づもりだったのだけど、風の冷たさに諦めて庚申塚の手前で引き返す。歌広場に入って二時間歌う。エーステの歌をメインに、入間くんの曲やフランシュシュも元気いっぱい歌った。夜は千成でうにスパゲッティを食べようかと考えていたのだけど、どれだけ大きな声を出しても、あいかわらずお腹のなかで豚や山羊やどらやきが満足げに居座っているのでさくっと帰ることに。
成城石井で炭酸の葡萄ジュースやチーズ、デパ地下でチョコレートを買って、ちみちみやりながら『魔入りました!入間くん』を観る。二期も終わってしまって、三期に追いついてしまった。アメリさんとのデート回がとてもよかったな。入間くんは少年漫画の主人公にありがちな異性への屈託というのがなく、衒いなく相手のことを気遣ったり、声をかけることができるからすてきだ。なによりこの作品は、恋する人の滑稽さを笑いにするときも、一生懸命さをばかにするのでなく、空回りしてしまう可笑しさを励ますように笑うから気持ちがいい。計画と現実のギャップにとらわれて、目の前に実在する入間くんをちゃんと見ることができていないアメリさんの空回りにはらはらしつつ、その可笑しさをにこにこと見守っていたら、エピソードは「最高のデート」として幕引きを迎えた。奥さんと二人で、めっっっちゃいい回だったじゃん! と目を合わせて頷き合ってしまった。とってもいいアニメだな。入間くんは性差にも、善悪にも、速度や立場のちがいにも目を曇らせず、ちゃんと個々人と向き合い、相手のペースに合わせようとする。高かろうが低かろうが目線を合わせて話をする。それだけのことが、こんなにも勇敢で眩しく思える。
