年が改まると日付の表記が大きく変わる。最初の頃は新鮮だからいいが、二月くらいから油断して「2022」と表記しだすだろう。そうしたうっかりが六月くらいまで続き、ようやく安定してきたと思えばまた師走だ。そういうものなのだ。
日記は元日からつけだすという人が多いのだろうか。僕はこの時期が一番日記が面倒で、やめてしまおうかな、とすこしだけ思う。なんかキリがいいし止めどきなんじゃないだろうか、改まるほどのこともなにもなかったしもうこれ以上は恥を晒すだけだ、などと言い訳が豊富にあるのがこの季節だ。そもそも義務で続けているわけではないからいつやめたっていいわけなのだが、何年か続くとこんどはやめる方が気力がいるし、そうなると理由が欲しくなる。ほんとうはただ昼から飲んでぜんぶが面倒なだけで、日記だけが面倒なわけではない。あらゆることが面倒くさいはずなのになんと! きょう僕は亀を洗った! パキラに水をやった! リビングと寝室の窓を開け放って換気をした! 風がすいすい通り抜けていって気持ちがよかった! 嫌いなのにちゃんと洗濯をした! 換気だけでもえらいのに部屋の掃除までした! マットレスの中身を腰の位置にあったやつと頭のいちにあったやつの入れ替えすらした! マットレスは三分割になっていて、真ん中の腰の部分にいちばん負荷がかかるから、たまに入れ替えると長持ちするらしいのだ。白状するとマットレスの中身は出し終えてからどっちがどっちか分からなくなってしまったので、ただ出していれただけになっているかも知れないし、今度はちゃんと覚えておこうと思ったのに続けて入れ替えた奥さんの分もやっぱりどっちがどっちだか分からなくなってしまった。
ネットプリントまで作った! こちらは面倒くさがってAffinity Publisher に直打ちでどんどん書いていった。二時間くらいでできるだろ、という目算だったが、換気や洗濯でちょこちょこ中断したからなかなか頭が書く感じにならず、十五時くらいからいじりだして、途中で一時間強おしゃべりの録音を挟んで、結局プリントの準備ができたのが二〇時。細切れだったから実作業時間はよくわからなくなっているが、二時間じゃ収まっていないのは確かだ。自分の書く速さはいまだによくわかっていない。この日記も結局どのくらいの時間をかけているんだ?
夜はお節をたらふく食べて、お風呂で東條慎生さんの2022年アニメ振り返りの記事を読んで、95,000文字ある。知らないアニメがたくさんあるなあ、と感心する。ずいぶん楽しそうに観ている文章で、とてもいい。知性が楽しむことに投入されている態度は気持ちがいいな、と思うし、僕もなるべくそうありたい。