2023.05.03

朝から妙に元気。部屋をうろうろ歩き回ったり、持て余す。昨日のトマト煮に野菜とひよこ豆を足してスープを作ってもらう。おいしい。無印の棒ケーキまで食べちゃう。

電車のなかでは『哲学の教科書』。桜木町の駅前のビルで水炊きを食べる。

ブルク13で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』。これは初日に観たかった。予告編も何もかもなるべく触れないままここまで来た。大好きなシリーズ。だからこそ大集合映画でめちゃくちゃにされてしまって悲しかったし、不安だった。序盤のギアの重たさに不安は募ったけれど、最終的には大満足だった。嬉しかった。明るい「深き魂の黎明」だった。もう僕はマーベルはこれでおしまいでいいな。でも彼らの続きがあるなら、観ちゃうかもな。中盤のあるシーンからしとしとと泣けて、エンドロールでは顔がべちゃべちゃだった。やっぱりVOLUME 2が好きだけども、いい最終回だったな。

それから母方の祖父母の家に。妹も弟も揃っていて楽しい。釜飯食べる。祖父から会社員時代の話を聞かせてもらう。ずいぶん大らかで景気がよく面白い。午後さんはドストエフスキーを『貧しき人びと』から読んでいまは『未成年』らしい。前はウィトゲンシュタインを二冊とも読んでいたし、すごいなあ、もう終わるじゃん、と感心する。バフチンも読んでるとのこと。 あと他にも色々。僕は小田イ輔と我妻俊樹を勧めておいた。叢書・ウニベルシタスの『ヨーロッパの日記』という面白そうな本を教えてもらったのでさっそく日本の古本屋でポチる。妹とその夫はスマブラを始め、祖母は、早すぎて何がなんならだかさっぱりだ、と言う。アイスを食べて風呂に入って水羊羹を食べる。

リビングには僕が生まれる以前から毎年撮られた集合写真が並べられている。それらを時系列に沿って眺めながら、僕はどんどんいい顔になっていくな、と思う。ちびの頃の僕は林檎のほっぺで我ながら天使だと思うが、小学生の後半くらいからどんどん荒んでいくのがわかる。そこから経ていって今がいちばんツヤツヤしている。それは隣で、あ、このころくらいから知ってるやつになる、と眺めている奥さんのおかげだ。僕はいつだって真剣にこの人がいなかったらこうはなっていないな、と考えるのだが、奥さんはあなたはなんだかんだで誰とでもやっていけそう、と言う。そうかもしれないし、じっさい今はそうではない。ガモーラのことを思い出していた。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。