祖父母の家の二階で目が覚める。雨戸が閉まっていると朝でも暗いがとにかく暑い。奥さんは枕が変わるとうまく眠れないのでまんじりともせず茹っていて不憫。よぼよぼと起き出してコーヒー。朝ごはんは豪勢で、サラダ、オープンサンド、パンの耳の揚げたの、フルーツポンチ。オープンサンドは自分で卵やアボカド、トマトなんかを載せていくスタイル。従兄弟夫妻もやってきて、にぎやか。ちびたちがデカくなっているから圧迫感がすごい。家の大きさというのは伸縮する。満腹。祖父の幼少期、疎開前に住んでいた神田のころの写真なんかを見せてもらう。デジカメで撮ったものは退色が著しくすでに白っぽく薄らいでいるのだけれど、80年前の白黒写真はしっかりと陰影を残して銀色に輝いている。祖父母や両親の結婚式の写真なんかも見る。みんな可愛い。こうしてみると母は祖母にそっくりだし、僕は母にそっくりだ。ちぎりパンみたいな赤ん坊の自分のアルバムも見る。僕は僕の子供の頃の写真が可愛い。天使だ、というと午後さんが、天使なのに生まれて来ちゃったんだね、と言うので、堕天してしまった、と応えた。祖父は当時の古地図も見せてくれる。この辺に住んでいたんだ、神田明神の近く。地図は縮尺がよくわからなくてうまく像が結べない。リビングに貼ってある地図は94年製で、ユーゴスラビアがまだある。本棚にあった世界地図と日本地図の二冊が函入りになったやつは奥付に非売品とあり、森永が何かのお菓子の記念に作ったらしい。すごい時代だ。奥さんはやはり具合が悪そうなので寝ていてもらって大船には一人で行くことに。
ポルべニールブックストア。二年ぶりくらいだろうか。金野さんに挨拶をして納品。店内を見て回る。夜電波本があって、惹かれる。表に面陳された『日本エッセイ小史』は知らない本で、随筆かいぼう教室の問題意識ドンピシャだったので買ってみることに。ぎりぎりまで夜電波と迷っていたけれど、結局はみすず欲が勝って『ガザに地下鉄が走る日』を買う。鎌倉はすごい人出だろう。あのへんは店が早くに閉まりますね、とお話しすると、だから早めの時間に大船まで引っ込んでおいて、ここらで一杯やるのがいいんですよ、海が近いし、自分の船を持ってる店もあるから新鮮な魚が食べれますよ、とのことで、それはとても魅力的な行程だと思われた。今度やってみよう。もちろんここで本を買いに寄る。帰りにパンとケーキの店でケーキを八個買って帰る。
遅めのお昼にお蕎麦。日差しが強くてくたびれたのもあって沢山食べる。食後はケーキ。喜んでくれて良かった。すでに夕方だったので帰ることに。庭に出てみんなで写真を撮る。念の為トローチを買って帰る。電車では爆睡。あっという間に家に着いたが、遠いは遠いので寝直す。起きて軽めの夕食。奥さんは熱はないけれどつらそうで、とにかく早めに横になる。風邪が治るような面白い日記をちょうだい、と言う。肩こりの治る小説が先か、風邪に効く日記が先か、ナンセンスな探究が勝手に始まってしまった。
