奥さんが仕事が休みの日はつられるのか朝ものんびりしてしまう。ゆっくりコーヒーを飲んで菓子パンで朝を済ませて、ゆったりとした気持ちで家を出る。僕が知っている僕の顔と奥さんの見る僕の顔はちがう。これは当然のことのようだがつい忘れがちで、奥さんは僕よりも20センチ以上背が低いからほとんど僕を見上げている。僕にカメラを向けられるのはだいたいごちそうの並んだテーブルをはさんでのことで、だからふだん奥さんが見ている僕の顔よりは水平の位置にある。見上げるような画角だと人相もずいぶん変わる。逆を言えば僕は奥さんが水平に眺めている奥さんの顔よりもずいぶんと上から煽るように見ているわけで、顎のラインの印象などもはっきりと異なっているだろう。鏡で見る印象と他人の目のイメージが乖離するのは、人は身長がまちまちであるという素朴な事実にあるのかもしれない。これはしかし見過ごされがちなことでもある。
いとうせいこうと九龍ジョーのポッドキャスト「だいじなケモノ道」がたいへん面白く、さいきんはこればかり聴いている。作業中なんだか呼吸が浅く、脈が大きくなる感じがあって、自律神経の乱れ、と思う。とりあえず背筋を伸ばして姿勢を整える。たしかにこの数日、姿勢が悪くなっていた。姿勢を保つのはそれだけで一苦労だから。背中に大きめの凝りがあるのがわかる。マッサージもしたいが、けっきょく根本原因は姿勢だから、楽にしゃんとできるだけの筋力が落ちたということ。運動や体操をしなければ。
夜はゴールデン街で少し飲んで、ライブ帰りの奥さんと合流、もう一軒行くか相談して、背もたれのある椅子がいいとのことだったので食べ物を探して、魚がいいとなって初めてのすしざんまい。さすが海賊を殲滅しだけあってなかなかおいしかった。「すし」で手を叩いて「ざん・まい」で両腕を広げるのだということも知れた。世界は知らないことばかりだ。知ったところでどうということはない。
