2023.11.04

お昼に焼肉食べ行こうねときのうから楽しみにしていて、午前中から支度をしていたはずなのだけれどなんやかやで着いたのは正午過ぎだった。お腹いっぱい食べた。ぽかぽか陽気で、眠くなってしまう。人間はたらふく食べさせてからあったかくさせれば大概寝る。そう奥さんが言って、人間の飼育のプロのようだった。本屋に寄って料理本や漫画を見る。こんなのもあるんだねえ、と言い合いながら本屋を遊ぶのもまた楽しい。いつの間にか『東京ヒゴロ』の三巻が出ていて買う。もう完結なのか。『正反対の君と僕』のノベライズも発見し、こういうの面白くないんだろうなあとわかっているのだけれどこの作品についてはもしかしたら面白くなるかもしれないというか、小説でやったらどうなるものか見てみたい気持ちもあって、表紙が可愛いから買ってみることにした。奥さんは帰って早々にお昼寝をたっぷりする。『東京ヒゴロ』を読んで、あまりの素晴らしさになんでもないコマではらはら涙と鼻水が出た。途中から奥さんの隣に寝転んで眠った。目が覚めてからは『ゲームの王国』を読んで、読み終えて、最高に面白かったな、と満足する。与えられた構造と原理によって駆動するシステムとしてのこの小説は、読み手という無茶苦茶な操作を平気で実行する不合理なユーザーによって破綻してしまうことまでをもみずからに組み込んでいる。構造だけでなくその使用と綻びまでをも内包する小説。これはすごい。上からの観念が形而下においてまったく機能しない非喜劇は『チェヴェングール』にも通じる。共産圏残酷スラップスティック。

ぶり大根の大根を天ぷらにしてくれて、晩酌。僕はなめことほうれん草の酢和えをつくった。〆はカレーライス。お酒もおいしく、ほろ酔いで録音。二時間近くだらだら話してしまう。ずいぶんのんびりできた一日。英気ってどんな気かしらないけれど、何かの気が養われた感じはすごくある。日付が変わってからお風呂に入って、お湯に浸かりながら日記を書く。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。