前日、EVIL は大阪の地でロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを裏切りBULLET CLUB に加入。かれを熱心に応援していたミラノコレクションA.T. は解説席で悲しそうな顔をして、それでもまだ何かあるかもしれないとグッズである鎌形のペンライトを胸の前に握りしめている。いつのことだったか、そのペンライトはEVIL 自身が口づけし、ミラノに手渡したものだった。これもなにかの作戦で、またいつもの彼が見られるかもしれない。あんなにもいい選手が、BULLET CLUB のような下衆どもと汚い試合に手を染めるようなことになっていいはずがない。祈るような気持ちでいる。試合が開始してしばらくが経過して、やはりかれはいい選手だ。そこにEVIL がやってくる。未練がましく解説席の脇に置かれたそのペンライトを強奪し、ミラノの目の前でへし折ってしまう。たまらずミラノはEVIL につかみかかる。あっさりとふりほどかれ、柵に背中から叩きつけられる。くずおれるミラノの顔はくしゃくしゃで、いまにも泣きそうだ。2020年7月12日の試合を見ながら、奥さんとしんみりしていた。応援していた人、夢中になっていた人に裏切られること。もうおれのことはこのように応援してはいけない、と直接引導を渡されること。それから試合中、ミラノはほとんど口を聞かない。言葉少なに、項垂れている。それを見守りながら、ひょえ〜と声をあげる。人ががっかりしている姿というのはなぜこうも魅力的なのだろう。これからEVIL が誰からも屈託なく応援されていた時代へと遡っていきたい。楽しみが増えた。
先日の北海道での試合を見た後、あれこれと過去の試合をザッピングしていった。きょうは体を休めようということで、午前中にスーパーに買い出しに行くほかは家で過ごした。お昼はシュクメルリを作って、プロレスを見ながら食べた。お茶を淹れて録音。岐阜行きの準備を始める。だいたいこのくらいかなという見込みよりも多めに持って行く。売れないことよりも売り切れてしまうことの方が悔しいから。週末に月が変わるようだとギリギリまで実感が湧かない。まだ交通手段も決めていない。宿は実家でいいからといって、油断しきっている。
夜は肉団子と青梗菜の鍋で、〆はうどん。おいしい。食後もプロレス。
