2024.02.26

ポッドキャストを自分でやっておいてなんだが、耳から聞いてもなにも定着しない感がある。僕の耳は非常にスルースキルが強く、なんでもかんでも右から左だ。研修などでビジネススキルについて講義されたりすると、この時間でドキュメントを読むだけのほうが速いし大量に把握できるのにな、ともどかしく思うし、じっさいあまり内容が入ってこない。思えば授業中に教科書を熟読し一人で勝手に先へ先へと進む子供だった。食べやすい情報の形は人それぞれ。僕にとって耳は非言語的なものに特化しており、言語は文字のほうがやりやすい。ポッドキャストやラジオは好きだが、それは楽しそうだったり賢さげな雰囲気を味わうもので、知識を覚え込むようなものではない。いや、それは本を読むのも同じか。僕はそもそも覚えが悪い。だいたい雰囲気で何とかしてしまっている自覚がある。そういう人間は複数の中長期的な予定が並走するような事態になると非常に弱い。ぽんこつである。やらねばいけないことが山積している気がするのだが、今日いまここで着手すべきタスクは見当たらず、なんとなく追い詰められている気分だけがある。それで余計に身動きが鈍くなる。そのような悪循環にいまある。近いうちに何かが破綻するなと予感していたのだが、きょうじっさい小さなカタストロフがあった。もはや日々の用事や約束さえ把握できていないことが露呈した。目先のタスクがパンクし、おろおろ言い訳する自分も嫌な感じだし、奥さんは昨晩からまた熱を出し、半月前も同じように倒れて予定を飛ばして悲しかった。また悲しいのはいやだ。僕はつつがなく物事が進行しないことに不安を覚えるたちだ。焦りや落胆や心配で感情の処理も追いつかず、いっそのこと無になりかけそうなところをなんとか持ちこたえてひとまずノートにすべて書き出す。いま混乱していることをまず書き出し、徐々にその混乱をタスクに分解していく、現状の問題の原因を洗い出し、すぐにできる処置について考える。まずは生活改善。無理にでも朝型の生活に戻すこと。そのために何ができそうか検討する。寝る時間を一定にするのは無理だから、とにかく起床時間を固定する。休日もいちど立ち上がって、昼寝の時間をとる。僕は寝ないとどうにもならないのだが、近年は寝すぎて疲れている疑いもある。じっさいつい二度寝してしまうのだが、一度目の目覚めのほうが爽やかだ。眠るのが好きというよりも起きるのが嫌いなのだろう。では起きるための障壁を解消するか、起きた後の報酬を用意するのがいいだろう。枕元に白湯を置いてみようか。「絶対起きられる アプリ」で検索してみさえする。朝型に、おれはなる。あなたは決意で満たされた。その途端、夜更かしのお誘いが来る。絶対に楽しいのでぜひぜひとお返事する。

奥さんが柑橘類を食べたいというので、帰りにオレンジ、伊予柑、不知火を買って帰る。どれがどれだかもうよくわからないが、色々あるのは楽しいだろう。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。