2024.06.12

わけもなくごきげんだった。冊子の入稿と入金が終わっての開放感だろうか。

この数年、「会社に行きたくない」と「仕事したくない」を切り分けて考えられる環境が出現した結果、前者の嫌さのほうが大きいことがわかった。会社に行くとそれだけで疲れ、もう何もしたくなくなる。在宅だと、思いっきりサボれもするのだが、タスクがあればそれなりに張り切ってやってしまう。むしろサボるために爆速で仕上げるという形で動機づけれさえする。

部屋にこもって集中していると、頭がぼんやりしてきて熱中症気味だった。浴槽に水を溜めて入る。じんわりと篭った熱を逃しながら文芸誌を読み、これで今月の時評に書くぶんは読み終えた。『群像』が単発の創作がなく、批評特集であるからこそのあっさり具合。とはいえ、『群像』も読む。それはただ楽しみのためだったが、今月は小説以外のものへ言及してもいいかもしれないな、と気まぐれを起こすかもしれない。

労働と時評の準備はけっこうやったのだが、ほとんどの時間をブラウザでできるスイカゲーム──たぶんパチモン──に費やしていた。今更、と思うが、これはハマる。ポジティブな意味ではなく、底なし沼に足をとられるかのように時間が溶ける。こわい。Two Dots もそろそろ止めどきだろう。こんなことやってる場合じゃないのに、と思いながらどんどんやってしまうから。

夕食にはホッケを焼いた。オーブントースターがあると魚を焼くのが簡単でいいな。先日の鮎に引き続きおいしくできた。かぶの味噌汁を作ったら麦味噌との相性がばっちりでクリーミーでとびきりうまい。かぶの旬っていつなんだっけ。冬のイメージがあったけれど、初夏なのかな。

あしたは引越しの見積もりがあるので部屋の片付けをちゃきちゃき進める。久しぶりに和室の床を見た。押し入れにひとまず避難させただけだけれど、やはり収納とは、目の見えないところに押し込むということなのだと思う。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。