昼過ぎから友人が家に遊びにきてくれる。先日の『A3!』のライブ映像を一緒に見る約束を奥さんがしていたのだ。部屋を見せるたびにこちらの期待の五倍くらいいいリアクションを見せてくれるので楽しい気持ちになる。お茶を淹れて調子に乗ってあれこれと話をし、一時間ほどしてからいよいよ二階で上映会。僕は劇中劇だけ見れたら満足なので、通しでライブを見ている間は一階であれこれと用事を済ませてしまう。楽しげな音楽とおしゃべりの音が階上から漏れ聞こえてくる。家の中で、自分とは違う時間を過ごす人の気配を感じながら別のことをする時間が好きだった。僕も奥さんも、勉強はわざわざリビングでする子供だったという。あれこれと片付いたので僕も二階で見る。何度見ても泣いてしまう。なんなら繰り返すことで泣くシーンが増えていく。僕らがこうして過去の思い出に浸っている間にも、すでに俳優たちは次の現場の最終稽古を済ませていたりして激動だ。どうやってセリフや段取りを覚え、忘れていくのだろうと不思議でならない。2.5次元俳優の情報処理技術について迫る本があったら読んでみたい。けっきょく六公演ぶんのお気に入りをすべて共有する形で、たっぷり五時間ほど鑑賞していた。
みんなでファミレスで夕食を食べに出かける。星が人になってしまった話を聞かせてもらって、接触イベントの功罪を思う。ふと先月の譲渡会で見た猫がまだ里親を見つけられていないことを知り、動揺する。もうとっくに決まっているものと思っていた。片目で、MANKAIカンパニーの密に似ている猫だった。その話をすると友人はいますぐ問い合わせてしまいなよとそそのかしてくれる。その勢いで申し込みフォームに入力する。たくさん変な汗をかく。駅までの道を一緒に歩いて見送る。二人になっても夜道でおしゃべりは弾み、家に帰ってくるとお風呂が沸くまでおのおののんびり過ごす。さっきまでわいわいしていたから、いつもよりも静けさが際立つ。
