昨晩は寒さのせいかかなり体調が悪かったから、今朝はいくら鳴いても起きないでたっぷりめに寝るぞと耳栓をして寝たのだが、目覚ましすら聞こえず寝坊しかけた。今日はパソコンには興味ないらしく、それはこちらが労働に身が入っていないのを見透かされているからかもしれない。先日はデリートキーに肉球を押し込んだまま踏ん張って、どいてくれそうになかったから困った。あくびばかりしていて、ずっと寝床やソファで眠っている。離れていても寝息がきこえてくる。寝息はすこし鼻が詰まっている時の人間のそれととてもよく似ている。隣で奥さんがすやすや寝ている時と同じ穏やかな気分になる。
スーパーで買ったキムチがすごくおいしくて嬉しい。「陳健一 僕の大好きなキムチ」。なんで陳健一がキムチなんだろう。東京生まれの四川料理人が推薦する韓国直輸入品。なにひとつ必然性が感じられない組み合わせで、まあそんなことはどうでもいいほど気に入った。けっこう辛いので血の気が引く。きょうの猫は玩具でもさほど遊ばず、撫でようとすると手を掴んで甘噛みしてくる。ごはんは一気に食べずに分けて食べるようになってきたけれど、残しておいたものを食べずに済ませてしまうのではないかとも思われてきた。あちこちに飛び降りたり飛び乗ったり、人間たちや玩具にアプローチするたびに、くるる、と鳩のような音を出すのはいつもどおり。頻繁に自分の尻尾とじゃれあっていて、運動不足なんだか、ゆっくりしたい日なんだかよくわからない。じっと顔を見つめると、なんとなく言いたいことがあるような、不服なような、そうでもないような、賢そうな顔をしている。顔立ちが理知的だからぼーっとしているだけで考え事をしているように見えるのだとしたら、この家の人間たちと似ている。奥さんに、なにをそんなに真剣に考えているの、と尋ねるとだいたいどうでもいいようなことが返ってくる。ほんとうに深刻なときは、あからさまに考えているような顔をしていないものだ。奥さんが使っていなかった羽の玩具を取り出すと、けっこう遊んだ。これでお腹も空くかな。そう日記に書いている間に、くう、くう、と声を上げながら完食して、水もごくごく飲んでいる。それからエビのぬいぐるみをどつきまわしてトイレに立つ。猫砂を盛大に掻き出す音が聞こえてくる。
