結局寝ついたのは二時で、七時前には猫で起きるから、めちゃ具合が悪かった。外は麗らかな陽気であるのに。朝食を済ませ、ぼんやり原稿をやり、まったく捗らず、昼寝したら二時間経っていた。
夜まで粘ってみるけれど、たかだか十枚ちょっとの原稿が終わらない。もう柿内正午もおしまいかもな、と思う。気晴らしに奥さんとおしゃべりしたり、猫にダル絡みをしかけにいったりしているうちに書ける気がしてくる。寝る時間までには草稿は八割がたできあがる。よかった、まだやっていけそう。
ルドンは今日は凶暴で、昼に掃除と換気をしたからそりゃそうかもしれない。ものを落とすし、噛み付いてくる。大暴れした後は、ソファを占有してぐでーっと前脚を伸ばしてうとうとしている。横暴だ。
猫を飼えば、生活に穏やかなリズムがうまれ、年相応の落ち着きがつき、焦りや悩みから解き放たれ、人生がときめくものとどこかで考えていたのかもしれない。じっさいは、ホモサピとは別様なリズムに振り回され、乱れた睡眠習慣由来の凡ミスが増え、毎日猫の体調について心配事が絶えない。