2025.02.14

朝、コーヒーメーカーがタイマー通りに作動すると、ガガガガと大きな音を鳴らして、ちょうど取り壊しの夢を見ていた奥さんは、わああっと言いながらベッドの上で猫のように飛び上がった。その驚きようが可笑しくてふたりで大笑い。

きのう強い風が吹いていたからか、春めいてきた。

カントは日に二ページくらいのペースで、とにかく五分は触るというのをしてる。引き続き、難しくて読めないって言われたことをめっちゃ気にしてる。

労働をはやめに切り上げて、御徒町。かつては定期券が使えた街。ずいぶん久しぶりな気がする。学術バーQでおしゃべり。阿部さんとは往復書簡を楽しくやり取りし、それでけっこう満足しているところもあって何を話すのだか見当もついていなかったけれど、開始早々にお酒を飲み出してどんどん機嫌よくへらへらしていたらあっという間だった。何を話していたのだかあまり覚えていないけれど、たぶん素面でも同じことだろう。客入りも心配していたけれど満席にちかく、熱気というのは比喩ではなくふつうに暑く、発言も活発にあったり、なんだかかなり愉快だった。マイクがないので大きな声だす。それで余計に楽しくなる。阿部さんとのおしゃべりの愉快さはかなり男の子な感じがする。男子のはなやいだ駄弁り。放課後の気分。わざわざ会いに来てくださった方との嬉しい邂逅もあり、とてもごきげんで、ふわふわしていた。奥さんも来てくれていて、こんなに人いるなら来なくてもよかったな、と言いつつ、ポッドキャストを聴いてくれている方からお土産をいただいておしゃべりもできて、だから来てよかった。にこにこと帰宅。即寝。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。