2025.03.04

昨日に引き続き今日も寝坊。九時半まで寝て、さすがにけっこう元気回復した気がする。しかし寒い。家出る気しない。明日はちゃんと会社に行けるだろうか。今日は家で労働。きのうはべったりだった猫は、窓辺で寝こけていてあまり寄ってこないくせに、会議が始まると大体デスクに飛び乗ってきた。なんで。

遠出やイベントの疲れか、寒暖差のせいか、気圧のせいか、眠い。いつまでだって眠い。集中力もほとんどなく、四時間くらいスイカゲームをやっていた気がする。無限にできてしまう。怖い。言語野を働かせたくない。ただ指先で果物を大きくしていきたい。二十分まとまった時間が取れるたびに膝を立てて寝た。そのたびスイカゲームの夢を見た。夕方、ようやくすこししゃっきりするような気もする。『ロマン』を久しぶりに読んだ。結婚式が始まった。本が読めると大丈夫になった気がする。

夜はささみを食べすぎる。TSUTAYA のサービスで借りた『メサイア 外伝 極夜』を見る。このシリーズ、舞台もそうだけれど、すごく面白いというわけではないが、ストレスがない。意外性もなければ、不愉快な雑さもない。きちんと無難に作られてる。これはばかにできない。安心のクオリティが保たれているということだ。つねに、こういうのもいいよねーという気持ちで見ることができる。コンビニスイーツみたい。きょうのような眠たい日に好適で、玉ちゃんがかわいい、というか、この人かわいいという気持ちで撮影されているのがよくわかる。俳優が魅力的に撮られているというだけで充分なところがある。とくにこのシリーズのような、こういう場面でこういうセリフ言ってみたいから言ってみました、みたいなものの連続だけで成立しているような劇は特に。しかし映画という形式で見ると、これはほとんど低予算でやりきるハイローだな。低予算であることをあまりしょぼい形で意識させないからえらい。無理に豪華な絵をつくろうとせず、できる範囲でできることを積み重ねているということだ。この規模の映画の工夫と引き算の楽しさは、ZINE のそれとすこし通じる。自分で作ってみるとわかる面白さなのかもしれない。明日からかなり久々の演劇の稽古が始まる。そわそわする。何もわからないところからの手探りだ。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。