2025.04.09

昨晩は猫と一緒に寝てみたいと思い、かつて祖父にもらったアウトドア用マットレスを膨らまして図書部屋に敷いた。ルドンは春めいているからなのか、ずいぶんわがまま悪い子で、今日も何度も自動給餌器をどつき、倒し、転がしたり、そのせいで皿ではなく床にぶちまけられた夕食を、すこし食べにくそうにしながらもきれいに平らげた。ずっとうっすら気が立っているようなのだけれど、マットレスは気に入ったらしく、膨らむのを待っている間にすでに上に乗っかって寛いでいた。そうですか、よかったね。じゃあ寝ようか、と寝転ぶと、すぐお腹に乗っかってきて可愛い。寝返りを打つ途中で背中に乗られて、うつ伏せで眠るのは苦しいのでどいてもらったりもした。猫の温もりでよく寝れそう。夜更け、気がついたらマットレスの真ん中で丸まって熟睡しているルドンに遠慮するかのように、僕の寝相はすっかり自分の体をカーペットに放り出していて、猫は気持ちよさそうにすやすやしていたからすごすご寝室に引っ込み、ベッドで寝直した。朝は七時五分ごろ起床。この数日自動給餌器の調子が怪しく、ごはんが出たりでなかったりする。今朝ちゃんと出るかを確かめたくてわざわざ寝にくい場所で寝ようとしたところもある。けっきょくベッドで寝てしまい、七時に餌が出たかわからない。でもルドンはさっぱりした顔でかまえ、かまえ、と手に頭をこすりつけてくるから、空腹だったらたぶんもっと狂暴、と判断して、きのうも夜にタイマーのセットされているのを確かめていた。コーヒーが入るのを待つあいだ、もういちどタイマーを確認すると、また朝のぶんが消えていて、なんだか一度給餌するとその設定が消えるようになってしまっているようなのだ、夜のぶんは設定されていたのでよしとする。帰宅したらまたリセットして、いちから設定し直さなければタイマーが機能しない。ふつうに壊れてる。三ヶ月くらいだ。

カハタレの稽古場日誌を書くためにポメラをリュックに。きのう動作確認を行った。一年半くらい放置していたみたい。その期間にアウトライナー風の記法を身につけているので、ポメラもアウトライン機能を活用すればデイリーログとして優秀なのでは、と思い試してみたらいい使い心地だった。iPhoneの画面を白黒にしてからほとんど見る気がせず、さいきんはフリック入力の変換がだいぶばかになってきているので、もう書くのもポメラに移行して、いよいよスマホの出番がなくなるかもな、と考える。ポメラは重いので毎日は持ち運べないが。昨晩のポケモンスリープはなぜか画面が付きっぱなしで、だから本日のスクリーンタイムは開始早々八時間計上されていて笑える。もうやめるか、これも、と思える。奥さんは三週間くらい前にすでに飽きてやめている。

街のほうに用事があったので、昼休みに本屋で取り寄せてもらっていたちくま新書の『世界哲学史』と、併せて『失われたスクラップブック』、『近代読者の成立』、『詩の構造についての覚え書』を買って、配送をお願いする。

ポメラでがしがし稽古場日誌書くぞ~と思っていたのに、こういう日に限ってえぐめの残業が突発し、稽古に行けない。ようやく片付けて、まだ一時間弱はいられそうかも、ということでへろへろと向かう。稽古場では、疲れすぎてて目が開いてませんね、と言われたけれど、帰る頃には元気で、稽古はいいなあ!

帰って、奥さんを待ちながらごろごろしていたら眠過ぎて行き倒れ、奥さんに起こされて帰ってきたことを知り、お風呂とか歯磨きとかもう無理だったので最後の力を振り絞りベッドへと向かい、そこから記憶がない。奥さんはたぶん帰ってきてた。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。