2025.05.01

朝食は肉詰めキャベツ——昨晩奥さんが作ったもので、僕は稽古があったから食べてない——を解体してトマトスープで煮込んでリメイクしたもの、クラッカー、葡萄。

バスに乗る。昨晩から新しいシナリオが公開になって、モノクロに設定しているiPhoneが、FGOを起動する時だけ色づく。色を戻したままホーム画面に戻るとスマホってこんなどぎつい色してたっけ、ともたれそうになるのですぐにモノクロに戻す。それでもFGOはやる。バスの中でもやりたいけれど、酔うから我慢。電車ではずっとFGO。

元町中華街駅について、大新園でお昼。イチボさんに教えてもらったお店。プーアル茶のポットを頼んで、ふたりで分け合いつつ、揚げワンタン、つけワンタン、五目かた焼きそば、鴨の砂肝、胡麻団子、ライチシャーベット。ライチシャーベットが思いがけず贅沢で美味。果肉入りだった。

KAATまで歩き、エーステC公演ジュルネ。近日公演の広報が出ているデヴィッド・ボウイのミュージカルが気になる。物販列に植え替えられた、B公演のひまわり畑を遠目に眺める。ふかふかの椅子でもFGO。開園時間ぎりぎりまでシナリオの区切りがつかず、奥さんは焦っていた。幕が上がり、気がついたら終わってたっす。前川優希は五〇〇回目の綴だったそうだが、初演のころのようなポンコツっぷりで台詞のとちりを連発していた。周りがわちゃわちゃフォローしたり、素で笑っちゃって序盤から荒れ模様。でもそこからぴしっと持ち直す。今回のメインである水江建太の万里はつねに不満や不安が残るのだけれど、初めて泣かされた。ここまでお膳立てされればな、という気持ちと、それでも咲けなかったこれまでを考えるとよく頑張ったよという気持ちとがある。前半のAB公演以上に、CとDはつづきもので、まだ半分しか見ていない、という気持ちで劇場を出る。でも、とてもよかったな。Bで終わりでもいいと思っていたけれど、まだまだエーステはいいなというふうに思ているので嬉しい。

サングラスを忘れていたことに気がついて、大新園に引き返し、それから伊勢崎町方面へ歩いていく。このへんは武塙さんのシマかな、と話しつつ、一軒目は奥さんチョイスでwyvern Scottish Gastro Pubへ。ハギス、燻製サーモンのグリル。奥さんは激甘シェリー僕はタップのビールを半パイントとそれからハイボール。

二軒目はてきとうに歩きながら見繕い、イタリアンバールBACCO。ジェノベーゼと白レバーペースト、お通しのプロシュート。ビールやスパークリングワインでいただく。入店してすぐ消臭剤のきつい臭いがこもっていて、失敗した、とふたりで身構えたけれど、食事は大変おいしく、ブツブツ切れる音楽と、臭いという環境さえ改善されればかなりいいお店なのに、と思う。

帰りの電車もずっとFGO。この日のスクリーンタイムは七時間を超えて、六時間四十分はFGOだった。電車の中での楽天モバイルは使い物にならず、たぶんそのうち一時間半はローディング画面だった。

コンビニで紅茶&クッキーのハーゲンダッツとパルムを買って帰って食べる。暴食の一日でもあった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。