2025.05.24

七時に目を覚まし、あと二十分、熟睡しない程度に横になったまま休息を足す。それで起きてトーストとコーヒー。思ったより動けそう。代わりに読むTシャツを着る。だいぶ古びてる。そりゃそうか。もう七年とか六年とかだ。黄ばみもあるし、ところどころ生地が薄くなってる。洗濯で縮んだのか、僕が大きくなったのか、サイズも合ってない。今回が着納めだろう。

雨の予報だったけれど降られずに会場に到着できて安心。きょうは代わりに読む人ブースの一角を間借りしての出展。友田さんとおしゃべりしながら本を売っていく。ビルの六階だから人通りが難しく、これまであまり売り上げは期待していない催しだったけれど、今回はスタンプラリーがあって、けっこうな賑わい。予想外にけっこう売れるので嬉しい。じっくり立ち読みしてくださる方も。『会社員の哲学』はほっといても売れるので冷淡に扱ってしまう。お向かいの図書出版みぎわの『尼僧少尉カタリーナ・デ・エラウソ』が面白そうですよと友田さんが教えてくれて、じっさい面白そうなので買う。花伝社の『反乱は続いている』もよさそうだったのでゲット。友田さんがみぎわの堀さんに『改元』をおすすめしていて、それなら書肆海と夕焼のブースで売ってますよ、とそそのかす。お隣の真木さんがコーヒーをご馳走してくださる。おいしい。

十時から十七時までと、文フリよりも二時間長いのでくたびれるのと、いよいよ雨が降りそうな気圧で終盤はあくびがでてしまう。帰り道はあまりの眠気に震えが出て、これはまずいな、と思う。座ったらどこまでも行ってしまいそうなので必死に立って帰る。東京、遠いなあ。歩くのも億劫で、でもなんとか帰りつき、そのまま仮眠。夕食は奥さんが作ってくれた鶏と大根の鍋。きのうまで三十度近い夏日だったくせにまたぐっと冷え込むようになった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。