今日も雨。きのうより寒い。来週からはまた夏日があるらしく、この寒暖差にはしっかりやられる。風が真横に吹いていて、傘をさしてもズボンがぐっしょり濡れた。レインコートが欲しいと毎年考えている気がする。『スロー・ルッキング』。どちらもですます調で訳されているというのもあり、すでに『美学入門』の記憶と混濁している。かなり読みやすいから一日とかでも読めちゃうかも、と関口さんは言っていたけれど、雨の日の集中力だと昨日今日の電車でようやく半分くらいという進み。
読みやすいというのは何なんだろうな。たとえば、ですます調はなんかわかりやすいような気持ちにさせる優れた詐術だ。というか、ですます調のような口語で表現しようとすると、じっさいに喋るとき程度の抽象度までしか扱えないから、必然、伝達可能性が高まるのだ。文字が大きかったり、絵があったりするのも、ページをさくさく捲れるから読めている感が高まるかもしれない。これまでは、とにかく文字が多ければ多いほどいいと考えていたけれど、いまは、本が読めないときに読む本をつくりたいと思う。じっさい、自主制作される本のよさとは、本の形をしているのにすぐ読み切れるとか、案外そういうところにこそある。
夕食は『ミニマル料理』の「めちゃくちゃおいしい本気の欧風カレー」を一緒に作る。といっても、ほとんどの作業を奥さんがてきぱきこなし、僕は食器を洗うくらいだった。一晩寝たせた方がよいということで、少し寝かせてから半分食べて、残りは明日のお楽しみ。物足りなかったのでピーマンのだけスパで追いかける。