お芝居帰りの奥さんがゴトーのケーキを買ってきてくれてうれしい。チョコタルトとチーズケーキとパウンドケーキ。カハタレのお芝居のセリフを覚える。奥さんに稲垣さんの役の台詞とト書きを読んでもらっている。おおよその流れは覚えてきたけれど、ところどころ抜かしたり順序が入れ替わったりする。あと、一言一句というわけにもいかず、微妙に言い換えてしまう。前者は水曜の稽古までにどうにかしたいが、後者は本番までになんとかなるのだろうか。いつも台詞の確認は皿洗いなど他ごとをしながらなるべく感情を入れずに行っているのだけれど、きょうはダンベルや腹筋ローラーをやりながら実施しており、そうすると必然腹から声が出る。大きな声で歌った方が音程をとりやすいように、大きな声の方がふだんづかいの発声とは馴染まない言葉を言いやすいとわかる。こんな声で話すやつはバーにはいないだろうから使えないのだが、大きな声を出すことの効用はよくわかる。大人になってみると、声出していくことがいかに大事か身に染みる。昔から声のデカいやつは嫌いだったのだが、声をデカくしないと突破できない局面というのはある。いい演技とは、デカい声を出したいところをぎりぎりまで抑制してなすようなものだろう。ありあまっているのだが、溢れさせはしない、という自制こそがセクシーなのだ。
