寒くなってきてルドンが膝や腹に乗ることが増えた。冬毛でふくふくしているし、じっさいこの家にきて体重は増加傾向だ。背中に瘡蓋ができやすく、これはこの家の清潔でないという証左なのだろうか。どうもノミやダニというよりは黴のようなのだが判然としない。近所の獣医は問題ないというだけで、一年近く経ってしまった。皮膚病に強い医者に診せるべきかもしれないが、遠出のストレスでより一層荒れそうでもあり悩ましい。
新日本プロレスの両国大会は、きのうのうちにセミまで見て、どうにも集中できずメインは取っておいたのをおやつの時間に見る。これは面白かったけれど、今年はどうにも乗り切れない部分があり、たぶんなんだけど中継のカメラのスイッチャーが替わった気がする。あきらかに練度が下がっており、画の連なりとしてのおもしろさに乏しくなった。
『随風』宛に送られてきた本で、時評に書ききれなかったものについてそろそろ書いた方がよかった。どこで言及するのが最適かなと思い、流れていくよりはストックされている方がいいだろうとnoteに書く。あらゆる巨大プラットフォームがろくでもなく腐敗していくことで、さいきんは一周まわってnoteが文字でのソーシャルネットワーキングに適した場所な気がしてきた。ずいぶん前のメモ書きをもとに再読しながら書き終えて、まじで評するというのは労多くして功少ない営みであることよ、と思う。こちらは一応真剣に読むわけだが、じゃあ相手が自分の書いたものを同じように読んでくれるかといったらそんなことはない。たぶんこちらの書いたものは読んでもいないんだろうな、と薄々勘づきながら、まあそれはそれ、とまともに読むよう努めるわけだが、なんでそんなことしなきゃいけないんだ、別になにかを評したくて読んだり書いたりしているわけじゃないし、何かを期待されても返せるものもない。そもそもまずはこっちの話を聞いてもらいたいよ、という気分になる日もある。というか、ずっとそのような燻りがあり、けっきょくこんなに時間がかかってしまった。次回からは必ず返事しますというのはやめよう。
家の外からスプラッタ映画の主人公のような絶叫がきこえてくる。赤ん坊かとも思ったが、ぎゃーっといいだしたのでこれは発情期の猫だ。ルドンが落ち着きをなくしてあちこち走り回り、ソファでこれを書いている僕の腹の上に飛び乗って、そのまま踏み切りソファの背を駆け上るので、ぐむ、と声が出る。
