2025.12.22

FGOの終章の更新分を読み終える。このゲームはずっと、勇ましく、気持ちよく、未来に託して死んでいくこと、端的に格好よく叙情的な死に様を描きたいという欲望に貫かれている。日々を地味に生き抜く人らに消費される娯楽として擬似的なロマンティックデスを提供するというのはまあいいんじゃないかというか、心中ものとか、世話物とか、昔から大衆演芸として自己犠牲の御涙頂戴はお約束の一つだったわけで、いちいち目くじらを立てはしないが僕は大義のための自己犠牲が大嫌いだ。だから、まあ泣けはするが好きではない。だからこそ三度落陽を迎えてもなお死なないネロちゃまの生き汚なさに惹かれるわけだ。

でも、二部の物語の決着としてここに至るのはなかなかよいと思う。じっさい、ヤガだったか、ユガ?あたりでカルデア側の欺瞞というか、正当化のできなさはすでに極まっており、どういうモチベーションでこれに付き合えばいいのかずっと難しかった。これ以外の落とし所はないだろうと思うから、もうひと捻りあったとしたらけっこう厳しい気持ちになりかねない。しかし、だからといってきらきら死んでこそとも思えない。やっぱりネロちゃまを出して、共に三度落陽を迎えるのがいいんじゃないかな。

一日遅れでM-1をネタ部分だけ通しで見て、初めて声出して笑えたので夕食どきに奥さんとヨネダ2000とドンデコルテとたくろうだけ一緒に見た。やはり二人の好みはドンデコルテで、外山恒一とイッセー尾形と鯨井康介が幻視される。そんなの好きだよねえ。

こちらも一日遅れで棚橋デスペのシングルマッチも見て、これまたよかった。日付が変わる頃まで録音。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。