2025.12.27

昨晩は終電で帰って、そのまますこし歩いて高校生のころ放課後に通ってたラーメン屋で〆る。大人になって深夜に食べる、十数年来馴染みの味であるラーメンはなんだかとてもよかった。

実家のあたりは、様変わりしているようでいて、もう三十年以上そのままあるものも多い。懐かしいようで目新しく、新鮮なようで相変わらずな景色だと思う。お昼は母とハンバーガー屋に出かける。風が冷たくて涙が出た。この建物はもともとコンビニで、僕の初めてのおつかいの現場だった。それから惣菜屋やラーメン屋を経由して垢抜けたグルメバーガーショップへ。もうコンビニの面影がまったくない。いまでは息子はビールも飲んじゃう。すこし寄り道をしてドーナツを買って帰る。

帰宅するとすぐさま父の淹れたコーヒーでドーナツを食べる。小麦の連打。べらべら喋っていると日が暮れていく。毎度、イベント前にいったんぜんぶ喋る勢いで喋ってしまうが、リハのようなものなのだろう。ちょうどいい具合に喉が温まってきたところで家を出て、ちんたら歩いて向かう。

ON READINGで恒例の青木さんとのおしゃべり会。いつもは上旬に行っているけれど今回は年の瀬開催。ちゃんとあるのかハラハラしました、これで心置きなく年を越せます、と声をかけていただけてありがたい限り。今年は青木さんの「受けの美学」が遺憾なく発揮されて、これを教えてあれを教えてと促されるままにものすごい勢いで多弁を引き出される。『随風』に書いている「話し言葉」と「話し言葉」について特に力点を置いて説明し、こうして目の前の相手に伝えるように話すとすっと筋が通る感覚を得るなと面白い。そしてやはり肝心なのは声と文字の往復運動なのだという確信を得る。社交の話しも面白がってもらえた。じっさい、社交の話しから青木さんの社内ラジオの話に展開してお互いの異同を確認できればよかったのだけれど、時間切れで断念。青木さんの執筆環境の変化などサプライズもあり。楽しかった。一年のブランクを感じさせず、そのくせそれぞれの一年で培ったものを持ち寄るような時間になった。

打ち上げは原点回帰のガスト。こちらも面白くって、激動の一年をみんなで振り返る。日付が変わるころ帰宅して、お風呂に浸かりながらFGOを起動するとレイドがもう終わっている。どうしようか、と悩みつつ寝支度を済ませ、ベッドに横たわりながらけっきょく最後まで完走する。よかった。後生への屈託ない信によって駆動する自己犠牲というのに乗り切れはしないのだけれど、この物語はこう終わるほかないと思えるよい最終回だった。三部への準備も匂わせているのだが、もういっそみんなでちゃんとおしまいにしてしまいたい気持ちではある。すべてを見届けたのが午前三時。放心しながらひとまず目を瞑る。余韻に浸りながらあれこれと考えようとするも、言葉の形にまとまる前に眠ってしまった。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。