2026.01.08

きのうは乗換のある繁華な駅で朝から酔っ払いが多数観察されて、まだ正月だったっけと訝しむ。あたしさあ、めちゃ酔っぱらっててえ、と電話を架けるもの。頭を抱えてうずくまるもの。通勤中の午前中からこうした頽廃の気配を浴びるというのはいい気分だ。人間はここまでちゃんとしないでいることができる。そのような朝の気分を一日中ひきずっていたからだろうか。飲んでの帰り、はじめて単身で終電をしっかり逃し、行けるとこまで行った駅から二時間かけて帰宅する羽目になった。氷点下までさがるほどの寒さの中、ほとんど畑や林、ときどき武家屋敷みたいな道のりを、目を凝らしてもほとんど闇だなと割り切ってmapsを眺めながらずんずん歩いて酔いはすっかり醒め、血流も良好。奥さんは心配もありゲームをしながら夜更かししていて、ごめん、と言いながら温かい布団に入るやいなやぐっすり眠り、けさ起きるとルドンと顔をくっつけ合っており、愛猫の小さなおでこをほとんど食べているような恰好だった。そういうわけで飲酒の翌日の不調はなにもなく、とはいえしっかり寝坊で、もともと計画していたところによると午前中に原稿に取り組むはずがその午前がなかった。まずはお風呂を使い、シーツの洗濯など細々と片づけてから「ユリイカ」の原稿に着手して、「ユリイカ」は締め切りよりもずいぶん先立って告知が出るのだな。あれこれと引用の候補を探してザッピングして、Dyanlalist にどんどんぶち込んでいく。それからがちゃがちゃと断片を入れ替え、太らせ、引用を挿入し、それによってまた順序が変わり、太ったり痩せたりして、だんだんと流れてきた感じがしたらDocs に流し込んで、そうすると脚注が後ろに寄せられるので視覚的にもすっきりして、今度は速さを優先してリズムを整えるための足し引きをして、そうすると新たに飛躍の契機が見えてきて、せっかくなので大胆に舵を切る。するとちゃんと成立しているか判断が難しくなってきたので、Novel Writer に流し込んで縦書きレイアウトを出力しプリントアウトする。このあたりですでに夜になっており、奥さんとスーパーに買い出しに行き、さすがに空腹なのでいかめしとたこ焼きをぱくつき、それから豚と白菜の金柑煮をつくって夕食。料理中に奥さんに読んでもらい、こういうのは久しぶりだと気がつく。とりあえず大きな問題はなさそうなので、あとはいちど寝かして点検すればよさそう。開始は遅れたけれどどうにか帳尻は合わせた。イベントに向けた資料もすでにあらかた済ませてあるし、着手待ちはあとひとつ。これは書評なのだけれど、どうにも来週にならないと書き出しづらいところがある。寝るまで「BLUE PRINCE」を遊ぶ。おととい始めた時は紅茶を飲みながらスクリーンに投影したのもあって、カフェインと画面に酔ってしまったけれど、きょうはパソコンで遊んだので最後までやりきれた。きょうは自分でコントローラを握っていたのも大きいだろう。奥さんとふたりでゲームを遊ぶのはすごく好きなのだけれど、僕が長時間ゲームをやれない体質なのが悔しい。

柿内正午(かきない・しょうご)会社員・文筆。楽しい読み書き。著書にプルーストを毎日読んで毎日書いた日記を本にした『プルーストを読む生活』、いち会社員としての平凡な思索をまとめた『会社員の哲学』など。Podcast「ポイエティークRADIO」も毎週月曜配信中。